口腔内3Dスキャナー(Trios トリオス)
口腔内3Dスキャナーとは?
口腔内3Dスキャナー(TRIOS)とは、お口の中の情報を3次元的に読み取る光学スキャナーです。 口腔内スキャナーの先端には高感度カメラが付いており、歯列に沿って移動させると1秒間に20枚以上の画像を撮影します。
撮影された情報は画像処理され、高解像度な3D情報を得ることができます。このデータをもとに、3Dプリンタを用いて被せ物や詰め物を作製していきます。
このスキャナーについているカメラは、シェード(歯の色調)の分析、噛み合わせのチェックなどもできるので、より高精度な印象採得(歯の型取り)が実現可能となりました。
その他にも、この3Dデータを患者さまご自身にご覧いただくことで、口腔内の現状を一緒に把握することができます。
口腔内3Dスキャナーを利用したデジタルスキャン
口腔内3Dスキャナーによる精密診療のメリット
精密・正確な口腔内データが得られる
従来の型取りでは、印象材の型取り時の変形や劣化などにより正確なデータが得られないことがありました。
しかしこの口腔内3Dスキャナーでは口腔内を高解像度でスキャンし、コンピュータで立体的に解析することで、より精度の高い技工物や矯正装置を作製することが可能となりました。
印象材による型取りが不要になる
従来の型取りに使うペースト状の印象材を使用しないので、嘔吐反射(吐き気や、えずいてしまうこと)の強い患者さまでも比較的ストレスなく歯の型取りをお受けいただけます。
治療時間が短くなる
従来の歯の型取り方法は、ペースト状の印象材をお口の中に入れ、固まるまで待つという方法でした。およそ固まるのに平均5分程度かかりますが、基本的には上下の歯型をとるため合計10分程度かかります
3Dスキャナーを使用した歯の型取りでは、お口の中に3Dスキャナーを入れ写真を撮影するだけなので、2分程度で型取りができます。また噛み合わせを取るのにも従来の方法ではおよそ3分程度かかりましたが、3Dスキャナーでは30秒程度ですませることが可能です。
また印象材を使用しないので、印象の変形、石膏の変形、などが発生せず、技工物の調整時間が短縮できます。
スキャンしたデータの保存性に優れている
従来の石膏で作成した模型では長期保存が困難であるのに対して、口腔内3Dスキャナーでは歯型をデータとして残すことができるので、スキャンしたデータを永久的に保存できます。
データを保存しておくことによって、被せ物が取れたなどの場合に型取りをしなくても新しい被せ物を作ることができます。
口腔内3Dスキャナー デジタルスキャン動画
口腔内3Dスキャナーのデメリット
スキャンできない場合がある
歯がほとんどない方や、噛み合わせが複雑な方にはスキャナーが使用できないことがあります。
また歯肉がかぶっていたり、深すぎたりする場合、光の反射が得られないため、スキャナーを使用することができません。
口腔内3Dスキャナーを使用できないケースがある
入れ歯(義歯)の製作には使用することができません。
口腔内3DスキャナーはCTと併用することでインプラント治療や矯正治療、噛み合わせの診断などにも応用可能です。