2024/08/15
品川区の歯医者 かなもり歯科クリニックの歯科医師 沼部です。
虫歯が神経に達していて神経をとらなくてはいけないと言われた歯、もしかしたら神経を残せる可能性があります。
神経を残せる歯とそうでない歯の違いや、治療法、さらには歯の神経を残すことがなぜ重要なのかを説明します。
歯の神経(下の図の赤い部分)まで虫歯が進行すると、神経へ細菌が感染してしまい冷たいものを食べたりすると痛みがでます。
治療中、虫歯を削っている最中に少しでも神経が出てきてしまうと、神経への感染があると判断しその場で神経を除去する治療(=抜髄・根管治療)を行うことが日本の保険治療のスタンダードです。
歯の神経は、歯の寿命を伸ばすために重要な組織です。
虫歯が深いと神経まで細菌が到達してしまいますが、細菌に感染してしまった神経は、炎症を起こして強い痛みが出るため、神経を抜くことでしか治すことができません。
しかし、この「神経を取る」ということにはかなりのリスクが伴うことを覚えておきましょう。
具体的には、歯の神経を取る事で下記のようなデメリットがあります。
⻭の神経は痛みを感じる組織です。神経をとることで細菌感染リスクが高まり、また多くの歯質を失うことで⻭が折れやすくなってしまいます。
そして⼀度破折してしまった⻭は、残念ながら元どおりになることはなく基本的に抜歯となります。接着剤でつけるというような⽅法はありますが、⽣活の中での衝撃で再び割れてしまうことが多く、⻑期で安定して保存することは難しいです。
根管治療でも触れているように、歯の神経は複雑な構造をしており、神経組織を問題のない状態まで取ることは治療の難易度と複雑性を上げます。
このように歯の長期保存・延命を考えると、⾍⻭治療ではいかに神経を抜かない方法を選択するかが重要になります。そこで注⽬されているのが、⻭の神経を抜かない「直接覆髄法」という治療法です。
「直接覆髄法」とは、⾍⻭が深く神経が多少露出してしまっている場合でも、露出した神経を薬剤で直接覆うことで神経を保護する治療法です。
当院では直接覆髄法にMTAという材料を⽤いることで、神経を極⼒保存する治療を⾏っています。
MTA(Mineral Trioxide Aggregate)は、1993年に米国ロマリンダ大学のDr.Mahmoud Torabinejadらにより、根管治療の新しい材料として開発されました。
1998年以降に欧米各国で発売され、日本では2007年から使用が開始されています。
MTAは⽔と反応させることでゆっくり硬化し、その過程で殺菌作⽤を⽰します。
さらに持続的にカルシウムイオンを放出し、細菌により失われた⻭のカルシウム成分を補うことができます。
そのため⾍⻭で神経近くの⻭が溶かされてしまってもMTAを使用することで、MTAが殺菌しながら修復作⽤を⾼め、神経を保存する可能性を⾼めることができるのです。
また、従来の⽔酸化カルシウム製剤と⽐較し、硬化後に材料の崩壊が起こりにくいため、⻑期的に良好な予後が期待されています。現在は⽇本でも多数の症例に使⽤され、臨床試験でも安定した⾼い治療成績が報告されています。
当院のMTAによる直接覆髄法は、Pro Root MTAなど複数の材料を症例に合わせて選択しています。
神経を抜く抜髄・根管治療と比べて、MTA直接覆髄法はどんなメリットがあるのでしょうか。
⻭の神経を取る治療では、どうしても便宜上⻭を⾍⻭のサイズよりも⼤きく削らなくてはなりません。MTAで神経を保存できれば⻭を削る量も最⼩限で済むので、⾃分の⻭をなるべく保つことができます。
神経を抜いてしまうと歯の削除量の増加や修復物の影響により⻭が折れやすくなってしまいます。⻭の寿命を伸ばすには、⻭の神経があるかどうかがとても重要なのです。
神経が細菌に感染していなければ、⾍⻭が深くても神経を保護してあげれば保存が可能です。MTAは殺菌効果と⻭の修復の補助効果がある材料なので、神経の保存の可能性を⾼めてくれます。
治療の過程で、神経近くの⾍⻭を取ったり薬を⼊れたりと⻭に刺激を与えるので、⼀時的に 神経が過敏になることがあります。しかし、この症状は徐々に落ち着いてきます。
⾍⻭のある⻭に持続的な強い痛みがある場合には、神経が細菌に感染し炎症が起こっています。その場合には、根の先端まで神経を取らざるを得ません。
神経がすでに細菌感染して死んでしまった場合には、神経は元に戻りません。神経を取り、きれいに⻭の中を掃除する治療を⾏う必要があります。
さらに⻭⾁を下げなくてはならないほど⾍⻭が進⾏しているケースや⻭根破折を起こしているケースでは、治療の適応とはなりません。
MTAは保険適⽤外となるため、費用は自由診療となります。
費用は歯科医院によって金額の設定が違うため、問い合わせてみてください。
MTAの自由診療の範疇のものとなりますので、全ての歯科医院で用意しているものではありません。かかりつけの歯医者さんにMTAの取り扱いがなく、万が一神経に達する虫歯だった時は神経をとらざるを得ません。
この患者様は冷たいものや熱いものを⾷べても特に症状がない状態でしたが、レントゲン写真から⼀番奥の銀⻭の内部で⾍⻭になっていることが疑われました。
銀⻭を除去したところ、銀⻭の下で神経に達しているかもしれない⾍⻭がありました。
まずは唾液や⾎液による汚染を防ぐために、外周および浅い部分の⾍⻭を除去して光重合型レジンで隔壁をつくります。(このときはまだ⻭髄付近に⾍⻭を残しています)
その後、ラバーダムを使⽤して、⼝腔内細菌による汚染を防ぎます。
隔壁製作時に残していた⾍⻭を除去すると、やはり神経が露出しました。
通常の治療であれば神経を抜く治療に移行しますが、神経を残すためMTAによる直接覆髄法を行っていきます。
マイクロスコープや拡⼤鏡下にて、周囲の⾍⻭を完全に除去したのを確認したあと、Pro Root MTAを丁寧に詰めていきます。
最後に光重合型レジンで密封します。
経過観察後、神経が生きていることを確認し、症状が安定していれば最終的な詰め物をして治療は終了です。
当院ではMTAのおかげで、⻭の神経を抜くケースが著しく减少しました。
⾍⻭の⼤きさや⻭根破折などにより適応できない場合もありますが、⾮常に有効な治療法だと考えています。お気軽にご相談ください。
治療が終わり、麻酔が切れると歯がしみる症状が出ます。これは、一部神経を触っているので仕方がないものです。2、3日はしみる感覚が続きますが一時的なものです。
デメリットの部分で少し触れましたが、MTAで神経を残したくとも、元々の虫歯が大き過ぎて勝手に神経が死んでしまっている場合は抜髄になります。
抜髄と診断される歯の特徴は以下の通りです。
・強い痛みが続く、なにもしなくても痛い
・虫歯は大きいのに冷たいものを食べても染みるような痛みが全くない
・歯の色が周りの歯と比べて黒い、または灰色がかった色をしている
・打診痛(コンコンと歯を叩いた時に出る痛み)がある
・歯科医師が虫歯を除去した際に神経が死んでいると診断した場合(ある程度神経が生きているか死んでいるかは歯科用顕微鏡:マイクロスコープでの診断が可能です)
このような場合はMTA直接覆髄法は適応ではなく、根管治療を行うようになります。
歯の神経をとらない方法 MTA直接覆髄法についてお分かりいただけたでしょうか。⾍⻭の⼤きさや⻭根破折などにより適応できない場合もありますが、⾮常に有効な治療法だと考えています。
MTA直接覆髄法の適応はどうかは歯科医師の診断が必要になりますので、自己診断は控えるようにしてください。
また、デメリットの部分でも述べましたがMTA直接覆髄法は、全ての歯科医院でできるものではありません。
かかりつけの歯医者さんにMTAの取り扱いがなく、万が一神経に達する虫歯だった時は神経をとらざるを得ません。歯の神経を抜く必要があると言われた歯であっても、神経を残せる可能性があるので一度当院またはMTAを取り扱っている歯科医院までご相談してみてはいかがでしょうか。
私たちは、歯周病専門のクリニックとして虫歯治療から噛み合わせまで、 患者さま一人ひとりに合わせたトータルな治療をご提案し、患者様の満足を第一に最後まで治療します。 初診のお申し込みは、24時間WEBから可能です。 皆様のご来院を心からお待ちしております。 http://kanamorisika.com/yoyaku24h/
2024/08/01
品川区の歯医者 かなもり歯科クリニックの歯科助手 鶴見です。
妊娠中に歯科治療を受けていいか、迷った事はございませんか?
また、健康な生活をする上で大切な役割を果たす『歯』ですが、
お母さんとして生まれてくる赤ちゃんに丈夫な歯を贈りたいと思いませんか?
かなもり歯科クリニックでは妊婦歯科治療に関する情報を発信する事で、
妊婦さんだけでなく、生まれてくる
赤ちゃんの口の中の健康につながると考えています。
当院でも妊娠がわかり、治療をここのまま続けて良いか質問される患者様がいらっしゃいます。
妊娠中の口の中に対して不安な事が沢山あると思いますので、
ここでは妊娠中の治療、出産後の口の中のケアなどについてお話させて下さい。
妊娠中は女性ホルモンが増加します。歯周病菌と女性ホルモンには関連があり、通常よりも細菌が育ちやすい為口臭や歯周病の悪化につながります。
加えて体内の免疫力低下により歯肉の免疫力が低下することがあります。
さらに、だ液(つば)の分泌量が減少すると口の中が乾きやすくなるため虫歯リスクが高まります。
つわり時期には気分が悪くて一度に量を食べられずこまめに食事をとることにより口の中のPHが一定にならず、口の中が不安定な状態になります。
以上のことにより食生活が乱れ栄養摂取が偏りがちになり、
さらに免疫力が低下し口の中の環境が悪化する・・という悪循環に陥ります。
妊娠~4ヶ月
切迫流産が起こりやすい時期。悪影響が受けやすく治療は控えた方が良いでしょう。
5か月~7か月頃
心配なく治療を行える時期。
安定期であればお腹の中の赤ちゃんに影響が出にくい為治療を受けることが適切とされています。
母体に負担がかかる為、長時間の治療は避けていただくか、
医師と相談しながら進めていくと良いでしょう。
8か月以降
臨月に入ってからは、急なお産で治療途中で中断の可能性もあるので、控えた方が安心です。
妊娠中に特に起こりやすいものをまとめてみました。
妊娠中は、女性ホルモンの分泌が約7倍になる為、
女性ホルモンを好む歯周病菌が増える事によって
歯肉炎になりやすくなります。
妊娠2~3か月から症状が見られ、妊娠中期には歯肉が腫れたり出血したりします。
そのまま放置してしまうと歯周病が進んでしまいます。
特に歯周炎を持つ妊婦さんはタバコやアルコール、
高齢出産といった要因と比べても歯周病のリスクが非常に高いと言われています。
また、早産や低体重児を出産する確率が高くなるという報告があるので注意が必要となります。
歯肉炎の治療は妊娠中にも行えますので歯ぐきから血が出る・歯を磨くと痛いなどの症状がある方はご相談頂くようにお願いいたします。
歯茎にできる良性のできものです。
歯肉に大きく膨らんでコブのようになり、妊娠3か月以降にみられることがあります。
原因は女性ホルモンの増加によるものと考えられていますが、
出産後に自然となくなる場合もあるのであまり心配はいりません。
妊娠をすると虫歯が増えるという証拠はありませんが、
生理的変化・生活習慣の変化に伴い口腔環境が悪化する為虫歯になりやすい状況となってしまいます。
虫歯は適切な時期での治療が重要になるので日頃から歯科検診を受けて早期発見を目指しましょう。
つわりの時は、口の奥まで歯ブラシを入れることで吐き気が起こることがあります。
吐き気を防ぐには、歯ブラシの先(ヘッド)の小さいもの、
やわらかめの歯ブラシを選ぶとよいでしょう。
ハミガキの方法は、首を下に曲げだ液が奥のほうに流れにくくなり
吐き気が起きにくくなるといわれています。
またはお風呂に入った状態や音楽を聴きながらみがくなどの「ながらみがき」も、リラックスしてみがくことができますので、自分に合うハミガキ方法を見つける事も大事ですね。
歯磨きとは別に洗口液や歯間ブラシやフロスなども使ってみて口腔ケアしてみてください。
当院でも色々な歯ブラシや洗口液など多数
販売しておりますので受付の横にある物販を覗いてみてくださいね。
麻酔薬により胎児に影響が生じるか、など心配ですよね。
妊娠中にお母さんに投与されたお薬は胎盤を介して胎児にも移行します。
動物を使った研究では、大量の麻酔薬を投与すると催奇形性があるという結果が報告されています。しかし通常量の麻酔薬を使用した人間の研究では、胎児の催奇形性を明確に証明するものはありません。
妊娠中の妊婦さんでも麻酔を使って問題なく歯を抜く治療を受けることが出来ます。
ただし、ほかの治療と同様に麻酔を使用出来る妊娠中の期間は限られているのと、
抜くことで母体にストレスが大きくかかるような
「親知らずの抜歯」は、妊娠中は出来るだけ行わないようにするのが原則となります。
妊娠中の歯科治療では、なるべく薬を服用しないようにします。
ただし、歯の強い痛みが続いたり、歯肉が腫れたりするなどして、薬を服用しないことで母体に悪影響を及ぼす場合は、胎児への影響が少ない薬を最小限服用する必要があります。
胎児に対する薬の影響は、妊娠中の時期、薬の種類により異なり、時には重篤な副作用を起こすものもあります。 必ず、医者や歯医者の指示どおりに服用をするようにしてください。
妊娠中でも、歯科治療で行うレントゲン検査は可能です。 歯科で用いるレントゲンの装置から出る放射線は少量であり、またお腹からも離れていることから特に問題ございません。
当院は、肩からかける防護用エプロンの他に
お腹を覆う防護エプロンもご用意してます。
安全に検査を受けることが可能です。
歯科で処方されるお薬で多いのが、痛み止めと抗生剤です。
痛み止めに関しては、ロキソニンやイブプロフェンなどの
非ステロイド性鎮痛薬は、特に妊娠後期では胎児への影響が大きいとされています。
そのため比較的安全な
カロナールなどのアセトアミノフェンを処方されることが多いです
妊娠中の歯科治療時には、
仰臥位性低血圧症候群(ぎょうがいていけつあつしょうこうぐん)を避けるため左側を下にして横になる姿勢や斜めになる姿勢を取ることが望ましいです。
仰臥位低血圧症候群とは、
妊娠末期に子宮内の胎児により下大静脈が圧迫され、
右心房への静脈還流量が減少、そして心拍出量が減少して一過性の低血圧になる症状の事です。
無理せずに治療行う事が第一優先ですので、
治療中に気分が悪くなったりした場合はすぐに歯科医師に伝えて下さい。
少し前まではお母さまから口移しで食べ物を与えたり、
食器を共有したりすることで虫歯の感染は広がると考えられていました。
しかしながら令和5年に日本口腔衛生学会から発表された文面によると、
食器の共有に気を付けていている子供と、
気ににせずに食器の共有を行っていない子供の虫歯の罹患率に差がなかったそうです。
(2011年の論文)
さらに、親からの菌の感染は食器の共有前の生後4か月の段階で日ごろのスキンシップなどから起こっていることも発表されており、防ぐことはほとんど不可能と言えます。
対処法として、食器などからの菌の伝播を防ぐよりも、
お母さんが正しい虫歯予防の知識を持ちフッ素などで虫歯にならないように
対処することが大切なお子さまの健やかな歯を育てることにつながります。
当院には妊婦さん向けのパンフレットご用意しています。
妊娠中は、体調面の変化が激しくつわりなどで
どうしても歯磨きができないなどのお悩みがあると思います。
自身に合ううがいや洗口液などを使用することなどをおすすめします。
また、出産後は赤ちゃんのお世話で忙しくなり
歯医者に行く時間が取りにくくなることがあるので
出産前の歯科検診を受けるようにしてくださいね。
赤ちゃんの健やかな歯を育てる第一歩は、
お母さんのお口の環境をきれいにすることですから
是非出産前の時間がある時に歯科健診を受けて
トラブルの少ないマタニティライフを送りましょう。
私たちは、歯周病専門のクリニックとして虫歯治療から噛み合わせまで、 患者さま一人ひとりに合わせたトータルな治療をご提案し、患者様の満足を第一に最後まで治療します。 初診のお申し込みは、24時間WEBから可能です。 皆様のご来院を心からお待ちしております。
2024/07/18
品川区の歯医者 かなもり歯科クリニックの歯科衛生士 隅田です。
口の腔内で一番力が強くかかり、噛み合わせに重要な役割を担っている歯をご存じですか?
それは、”第一大臼歯” 通称:6歳臼歯です。
6歳臼歯は名前の通り小学一年生・6歳頃に生えてくる大人の歯であり、乳歯と入れ替わりでなくあたらしく乳歯列の一番後ろに生えてきます。
乳歯と入れ代わりでない・奥に生えてくるという特徴から、保護者の方でも大人の歯が生えていることに気づきにくい歯でもあります。
成人になってからも噛むのにとても重要な歯でありながら、6歳臼歯には歯の中でも特に虫歯になりやすい特徴があります。
1.生えてくる場所が奥の方で磨きにくい
2.歯が生え始める時、歯ぐきに一部覆われることにより汚れが溜まりやすい
3.生え始めたての大人の歯は幼若永久歯と呼ばれ、永久歯(大人の歯)でありながら表面がまだやわらかく、虫歯のリスクが成人の永久歯の比べて高い
6歳臼歯は全ての歯が大人の歯になり、噛み合わせが安定した時に特に噛む場所になります。その歯が虫歯になってしまうことは、絶対に避けていくべきです。
虫歯予防の対策にはいくつかありますが、
そんな第一大臼歯を守ることができるのが”シーラント”です。
今回はシーラントに関して詳しくご紹介し、最後に現役歯科衛生士が6歳臼歯が生える時期のお子さんがいらっしゃる保護者の方にお願いしたいことも記載しております。
虫歯の発症リスクの高い歯に対して行う処置のこと。奥歯の噛む面にある深い溝をあらかじめ硬いプラスチック樹脂(レジン)でコーティングし虫歯を予防する方法です。
また、「フィッシャーシーラント」と呼ばれることもあります。
シーラントをすることで4年以上・約60%の虫歯予防の効果が認められます。
特にフッ素配合歯磨き粉や歯医者さんで行う高濃度フッ素塗布とシーラントとの併用によって、虫歯予防の効果がさらに増加します。
シーラントは材料自体がフッ素の徐放(リリース)と取り込み(リチャージ)機能を持っているため、フッ素塗布のように数ヵ月ごとのメインテナンスは必要ありません。
フッ素リリース:シーラント材からフッ素を口腔内に徐放します。
フッ素リチャージ:歯磨き粉や高濃度フッ素ジェルから、フッ素をシーラント材に取り込みます。
①乳歯列が完成する 4歳~5歳
②6歳臼歯が生えてくる 6歳~7歳
③第二大臼歯が生えてくる 12歳~13歳
上記は歯の噛む面の溝が深い歯が生えてくる時期であり、シーラントの処置の対象となる年齢です。
また、歯の萌出から時期が経過した歯に対してのシーラントの処置は基本的には保険で認められていません。(大人へのシーラントの処置など)
しかし、近年のお子様は永久歯が生えてくる時期が遅くなってきていると日本小児歯科学会でも報告が上がっております。
実際に現場で小児期の口腔内を診ていて、教科書通りの時期で歯が生えているお子さんは、少ないように感じます。よって上記の時期はあくまで参考の時期として捉えてください。
歯が生えてきたばかりのこのタイミングでシーラントの処置をおこなう事で、予防効果がより高く期待できます。
歯科検診の際に、シーラント処置の対象の歯が生えて歯科医師や歯科衛生士からシーラントをおすすめされたタイミングで行うことが重要です。
特に、第一大臼歯(6歳臼歯)は28本の永久歯の中で一番大きく、噛み合わせにも重要な歯であるため、シーラントの処置をおすすめします。
シーラントは、乳白色であり一般的には見た目に影響しない材料です。
また、ピンク色のシーラントを用いている歯科医院もあります。
処置は、医療証と保険証があればお住いの地域の歯医者さんで、保険診療の範囲でおこなうことが可能です。よって、親御さんへの費用負担がかかりません。
①歯の清掃:プラークが付着していると虫歯の原因になりますのでしっかり清掃をおこないます。
②酸処理:シーラントを歯面に付着するように歯の深い溝部分のみ、酸処理を行います。
③乾燥:唾液にはたくさんの細菌が存在しますのでしっかり乾燥させて唾液の侵入を防ぎます。
④シーラント材の塗布:歯の深い溝部分にシーラント材を流しこみます。
⑤光照射:10秒~20秒間、塗布部位に光を当てて固めます。
シーラントは歯質を削る必要はございません。
1歯の処置時間は3分程度でおこなえますので、お子様にとっても負担の少ない処置です。
・シーラントの最大のメリットは、虫歯のリスクを減らせることです。
歯の咬む面にある深い溝は、歯ブラシでの清掃が難しく、プラークが残りやすいため、細菌が繁殖しやすい部分です。シーラントにより、この深い溝を覆うことで、細菌の繁殖や食物の残留を防ぐことができます。
・シーラントは、歯を削らずに処置が可能です。
虫歯治療のように歯を削る必要がないため、痛みを伴うことなく、歯の健全な部分を守るための予防として処置ができます。
・シーラントは永久に保持されるとは限りません。そのため、歯科医院での定期的な確認が必要です。
取れたり・欠けたりした場合には、再度塗布することで高い予防効果を維持できます。
・シーラントの下が虫歯になってくるケースがまれにあります。
原因は、シーラント材を塗布する前の清掃がしっかり行われなかったことや唾液の排除がしっかり行えなかったこと、噛み合わせなどによってシーラントが欠けてしまい隙間ができて虫歯菌が入り込むことがあります。
プラークや唾液は細菌が多数存在しますのでそれらをしっかり除去したうえでシーラントをおこなう必要もありますし、数年経ってから虫歯に気づくことにならないよう、定期的な検診が重要となります。
お子様の成長や心の発達により、様々な環境で母子分離する機会が増えると思います。
そんな中、親御さんに知っておいてほしいことをお伝えします。
小学期のお子様がいる親御さんは歯磨きは本人に任せているとおっしゃる方が多いです。
心の発達から見ると思春期のお子様は親御さんに頼る事への抵抗感が出てくる子も多くいます。自立することは素晴らしい成長だと思います。
しかし、口腔内の状態は小学期に大きく変化します。
萌出したばかりの歯は虫歯に罹患しやすく、他の歯より高さが低いため、歯ブラシが当たりずらいです。デンタルフロスの使用もなかなか一人で上手にできる子は少ないです。まだ、一人ですべての汚れを落としきれるようにはなりません。
自分で磨けるように促しながらも、親御さんの目によるチェックが必要です。
いつまで仕上げ磨きが必要か?とご質問いただきます。
返答としては、乳歯の奥に生える「6歳臼歯」が生えそろい、前歯上下4本が永久歯に生えかわったあとの小学校3~4年生くらいまでがめやすです。
かかりつけの歯医者さんを決め、幼少期から通っているお子様は笑顔で歯医者さんに来てくれます。
また、他の歯科医院で歯科恐怖症があったお子様でも、定期的に同じ歯医者さんでいつもの歯科衛生士さんが診ることで歯医者さんに慣れ、一人で診療室に入る事ができるようなり、歯科恐怖症を克服できています。歯科恐怖症だったお子様が矯正治療を始めるタイミングになった時、スムーズに先生が拝見できました!
幼少期の歯科との出会い方はとても大切です。お子様にとって初めて行った歯科医院との出会いは、その後の歯科とのかかわりに大きな影響を及ぼします。
お子様の人生における歯科とのかかわり方がより良いものになるようかかりつけの歯科医院を決めてあげましょう。
シーラントはあくまでも予防処置である為、絶対に虫歯にならないわけではありません。最も大切なのことは歯磨きやデンタルフロスを使用して毎日、プラーク(歯垢)を歯面から取り除くことです。
また、定期的な歯科検診を受診し、一度処置したシーラントが取れてしまっていないかなどを検査してもらい、高濃度フッ素塗布を併用するなどして、この先の何十年も使っていく永久歯を守っていきましょう。
私たちは、歯周病専門のクリニックとして虫歯治療から噛み合わせまで、 患者さま一人ひとりに合わせたトータルな治療をご提案し、患者様の満足を第一に最後まで治療します。
初診のお申し込みは、24時間WEBから可能です。
皆様のご来院を心からお待ちしております。
2024/07/04
品川区の歯医者 かなもり歯科クリニックの歯科衛生士岡澤です。
多くの方が一度は歯科医院で歯石を取った経験があるかと思います。
定期的に歯科検診に通われている方はご存知かと思われる歯石取りですが、普段あまり歯科検診に行かれない方にとっては、「歯石ってなに?」「歯石取りって何をするの?」と疑問に思われる方も多いかもしれません。
歯石は歯周病の要因となり、歯石取りは単なるお掃除ではなく、歯周病の治療、歯周病の予防となります。
今回は「歯石取りとはなにか」「なぜ歯石取りが必要なのか」「何を使って」「どのように」行うのか、ということをお話しさせていただきます。
歯垢とは、口のなかの細菌の集合体で、「プラーク」ともよばれます。ネバネバとした白くやわらかい汚れであり、歯垢1㎎には約1億個以上の細菌が存在しているといわれています。歯垢の状態であればやわらかいため、歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなど普段のセルフケアで除去することができます。
歯石とは、歯垢が唾液中のカルシウムやリン酸によって石灰化したもので、石のように硬い塊です。一度ついてしまうと歯磨きではとることができず、歯科医院で機械的に取る必要があります。
歯石には「歯肉縁上歯石」と「歯肉縁下歯石」の二つに分けられます。
歯ぐきの上に付着している歯石のことで、色は黄色みがかった白色の比較的柔らかいことが特徴です。比較的簡単に除去できる歯石です。
歯ぐきの奥深くにこびりついている歯石で、歯周病の進行と深くかかわっていると言われています。色は黒ずんだ褐色で、歯に強くこびりついていて除去しづらいのが特徴です。
歯石自体が酸や毒素を出すということはないといわれていますが、歯石の表面はザラザラしているため、虫歯菌や歯周病菌がつきやすく増殖します。そのため歯石を長期に渡って放置しておくと、虫歯や歯周病の原因になるのはもちろん、口臭の原因ともなります。
歯石取りには歯科の専門用語でスケーリングとルートプレーニングといわれる方法があります。
スケーリングとは歯ぐきより上の露出した歯面に付着したプラークや歯石などを機械的に除去することです。
ルートプレーニングとは歯周ポケット内部の歯の根(歯根)の表面の汚染されたセメント質や付着した歯石を除去し、歯根面をツルツルと滑らかにすることです。歯根を滑らかにすることであらたな歯垢がたまりにくい状態になります。
また、ルートプレーニングでは歯茎の中に器具を入れるため、痛みを伴う可能性が高いです。その為30分〜1時間程度局所的な麻酔が必要になります。
実際に治療をおこなう際は両者を一連で同時におこなうことが多く、スケーリング(Scaling)、ルートプレーニング(Root Planing)の頭文字をとって、専門用語でSRP(えすあーるぴー)とも略されます。
ただし、重度の歯周病で歯根の先まで歯石が付着している場合、スケーリングやルートプレーニングを行ってもすべての歯石は除去することができません。その場合、歯周外科治療が必要になることがあります。
歯周外科治療
歯周外科治療とは、麻酔をして歯ぐきを切開し、歯根の先まで付着した歯石を徹底的に除去する治療です。歯石は放置すればするほど強固に付着するので、その分大がかりな処置が必要になることがあります。
そのため日頃から、定期的に歯科医院で歯石を取ることが非常に大切です。
超音波の振動で歯の表面から歯石を剥がし取る道具です。
パワーが強いことから施術中に痛みや不快感が生じやすい傾向にありますが、その反面、短時間で広範囲にわたる歯石の除去が可能となり、歯石を取り除く効率は極めて高いです。
振動によって熱が生じるため冷却するための水が先端から出るので、バキュームという吸引機を使用しながら行います。
歯石を除去する専用の道具です。超音波スケーラーと異なり、カリカリと手動で歯石を除去します。
先端の部分が刃となっており、鋭くとがっています。前歯や奥歯など、それぞれで適した部位が異なり、歯科医や歯科衛生士が手動で行うため、歯と歯の間の細かい部分の小さな歯石も確実に除去できるのが特徴です。
また、歯並びが悪い部分や歯ぐきより下の部分の歯肉縁下歯石の除去にも手用スケーラーが活躍します。
歯石除去(特にルートプレーニング)をおこなう際は、歯ぐきの中に器具を入れて歯石を除去しますが、歯石がついている周囲の歯ぐきは炎症しているため、器具を入れると痛みを伴うことがあります。
そのため麻酔を使用して行うことがほとんどです。歯周病が進行している場合はほぼ必ずと言っていいほど麻酔を行います。麻酔をすることで効果的に歯石の除去を行えます。
歯科の麻酔のちくっとする不快感が苦手で麻酔をしない選択もできますが、治療中の痛みをかばい歯石を取り残してしまうと治療の効果が下がってしまいます。
原則保険のルールとしてスケーリングは上下2回に分け、SRPは麻酔をして最大6回程度に分けて行います。
なぜ回数を分けるのか?という質問をよくいただきますが、理由としては、炎症が強い場合歯石取りを一度に行ってしまうと歯ぐきに痛みが出てしまう恐れがあるからです。
他にも、麻酔を口の中全体に効かせると話しにくい、口をゆすげないなどの弊害も起きてしまいます。重度の歯周病で硬い歯石がついていた場合はより歯石の除去に時間がかかってしまい、一度に行おうとすると患者様への負担も大きくかかります。
そのため数回に分けてクリーニングを行うという保険診療上のルールに沿って、回数を分けて行っていきます。回数はかかりますが、効果的に治療を進めていくためにも複数回通っていただくことを推奨します。
保険適応で、初診料や検査の料金をを含め3000~4000円、2回目以降は1500円前後です。
他にも処置を行う場合はここに追加で料金がかかります。
(2024年6月現在)
ここまでは歯石取りの目的、処置の方法、スケーラーの種類などについてお話してきましたが、スケーリングで歯石除去する際には注意すべき点もいくつかあります。歯石の除去に伴うリスクを十分に知っておくことが大切です。
スケーリングで冷たいものがしみるような知覚過敏の症状が現れる原因は、歯根面の露出です。歯石などによって腫れていた歯ぐきが落ち着くと歯ぐきの位置が下がり、歯根の部分が露出します。
歯根面にはエナメル質が存在せず、象牙質がむき出しとなっているため、そこに冷たいものなどが触れると知覚過敏が生じます。
みなさんも過去に一度は経験したことがあるかと思いますが、知覚過敏は一時的な症状にとどまることが多いです。しかしながら場合によっては慢性化してしまうため、その際は知覚過敏のお薬を塗ったりしてます。
知覚過敏の原因や対処法についてはこちらの記事を参考にしてください↓
http://kanamorisika.com/blog/2024/04/25/11709/
スケーリングやルートプレーニングを行った後は、処置前と比較すると歯が長くなったように見えたり、歯茎が下がって見えたり、食べ物が詰まりやすくなることがあります。
歯石によって腫れていた歯ぐきの腫れが落ち着くと、歯ぐきの位置が変わり、実際には歯が長く延びたわけではないのですが歯が長くなったように見えたり、歯ぐきが下がったように見えることがあります。
ただ、いずれも歯石を取ることで歯ぐきの炎症が落ち着いてきて起こりうる治癒過程であり、悪化しているわけではありません。
セラミックや銀歯、プラスチックの詰め物がある場合、スケーリング、ルートプレーニングの処置中にこれらが外れてしまうことがあります。通常、詰め物はしっかり接着してあるため簡単には外れませんが、長年お口の中に入っている状態ですと徐々に劣化して接着がゆるくなり、気づかないうちに詰め物の中で虫歯になっていることがあります。
硬い歯石を取る際には場合によっては力がかかり、その弾みでそのような詰め物が取れてしまいます。
ただ、歯石を取り残しておくことはお口の中にとって悪影響です。万が一詰め物が外れてしまうことがありましたら、外れた部分の虫歯の状態を確認し、改めて治療を行いましょう。
毎日の歯磨きなどのセルフケアはとても大切です。しかし、セルフケアだけでは歯石の付着を完全に防ぐことは難しいです。歯石は時間がたてばたつほど硬くなり、除去が困難になり、虫歯、歯周病の要因にもつながります。
一度歯石を取ったとしても、お口は毎日使うものであり、常に細菌が存在している状態で、また新たに歯石はついてしまいます。
ご自身の歯を守るためにも定期的な歯科検診、歯石の除去をおすすめします。
私たちは、歯周病専門のクリニックとして虫歯治療から噛み合わせまで、 患者さま一人ひとりに合わせたトータルな治療をご提案し、患者様の満足を第一に最後まで治療します。 初診のお申し込みは、24時間WEBから可能です。 皆様のご来院を心からお待ちしております。
http://kanamorisika.com/yoyaku24h/
2024/06/20
品川区の歯医者 かなもり歯科クリニック歯科助手の伊藤です。
この内容は大人の方向けの初めての歯科診療(初診)の流れや内容となります。
(お子さんの場合はまた違った流れとなります。)
引越し後、何か大きなイベントの前、虫歯がある気がする、歯がしみる・・・
人によって歯医者さんに行こうと思うタイミングはそれぞれです。
しかしながら、歯医者さんに行こうと思ったものの、初めて行く歯医者さんの初診(1回目)は特に緊張して、行くのをやめてしまおうか‥と尻込みする方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は歯科の初診時にかかる料金をはじめ、初診時の流れを説明をしていきます。
最後には当院、かなもり歯科クリニックの理念を紹介しております。
初めて行く歯医者さんへの心構えとして参考にしてみてくださいね。
歯医者の初診時の費用は、健康な成人の場合は2024年6月現在、約3000~4000円です。日本の健康保険が適応され、3割負担でこちらの費用となります。
ここに応急対応などが加わると金額は変わりますので、心配な方は多めに(1万円程度)お持ちいただくと安心かもしれません。
医療証などをお持ちの方はこれに限った話ではないため、初診時に必ず保険証・医療証をお持ちください。
支払いの方法は、現金またはクレジットカード対応している歯医者がほとんどです。また、現在はキャッシュレス決済を導入している歯医者が増えています。
支払い方法が不安でしたら予約時に自分が使用したいキャッシュレス決済に対応しているかを確認をしておきましょう。
現在はインターネットの普及によりウェブサイトを経由した予約ができる歯医者さんが多く存在しています。
電話が苦手、伝えたいことを伝えられるか不安な方は、病院予約専門のウェブサイトなどでご自身の最寄駅・ご自身が悩んでいる症状に特化した歯医者さんなどを検索し、ウェブから予約するのはいかがでしょうか。
検索の例
「歯周病 専門医 〇〇区(ご自身の住む地域の名前)」
「歯の検診 歯石除去 歯医者 〇〇駅(ご自身の住む地域の名前)」 など
また、予約の時点で治療について伝えたいことがございましたら、ウェブサイトを経由して問診票を送るシステムを使用して、コメント欄に希望を書くこともできます。
初めての場所で緊張し、痛い箇所や気になる部分を伝えきれなかったとなるとせっかく頂いた貴重なお時間がもったいないですからね。
伝えたいことをメモにまとめてくる方もいらっしゃいます。
保険証・医療証・障害者手帳(お持ちであれば)
お薬手帳
紹介状(お持ちであれば)
取れてしまった被せ物・詰め物
使用している入れ歯
携帯電話
→アプリで予約を管理する歯医者もあるため。キャッシュレス決済可能な歯科医院もあります
現金またはクレジットカード
治療時の必須事項・インフォームドコンセント
当院ではインフォームドコンセントを重視しております。
これまでに受けた歯科治療で、治療内容に関しての具体的な説明がないままに治療が始まってしまい「今、どの歯を治療しているんだろう?」「何か詰めてもらったけど、どんな感じなのかな?」と不安や疑問を抱いたことはありませんか?
このようなことがないよう、患者さまに診療内容を詳しくご説明し、同意を得ることを“インフォームドコンセント”と言います。診断からメインテナンスまでの診療を患者さまにわかりやすくご説明し、ご理解・ご納得いただいた上で診療を開始します。
初診の具体的な流れです。
患者さまが来院されて「虫歯になってしまったみたいで…」と話されたとしても、すぐに「では、削りましょう/抜きましょう」とはなりません。まずは「どんなふうに痛むのか」「いつごろから痛みを感じ始めたのか」といったヒアリングを行います。
事前に問診票に記載していただいた痛みがあるところの症状などを詳しく聞かせていただき、診断を進めていきます。
虫歯や歯周病の進行状況などを確認することができます。
レントゲン撮影では、痛みの原因の部位の特定・虫歯や歯周病の有無・不良補綴物の有無・顎関節症の有無・治療後の歯の感染の有無など、一枚の写真でたくさんのことがわかります。
自分のお口の中を改めてしっかりと見る機会はなかなかないのではないでしょうか。レントゲンだけでなく、写真をみていただくことで、ご自身の歯の現状をご理解していただけます。
お口元の状態を記録します。顎のゆがみ、噛み合わせ、歯の見え具合、上下の骨格のバランスなどを見ていきます。無自覚な口元の筋肉の悪習癖などもわかるため、とても重要なものとなります。
上記の検査結果や事前のカウンセリングをもとに、痛みの原因や最適な治療方法の追求を行います。
また、治療の流れや現時点でわかる虫歯の数、歯周病の進行具合などをお伝えし、ざっくりとした治療の期間をお伝えすることもあります。(治療の内容に前後する場合がございます。)
治療のイメージが沸かない方にはアニメーションなどを使用して説明することもあります。
治療方針を決定した後のインフォームドチョイス
カウンセリングで患者さまからお悩みやご希望を伺い、検査により医師が判断した診察結果や治療の提案をお伝えし、患者さまの同意を得られてから初めて治療がスタートします。
例えば、歯科医師が「インプラント治療が適している」と判断したとしても、その治療方針を受け入れるかどうかの決定権は患者さまにあるのです。
当院では、インフォームドコンセントはもちろんのこと、インフォームドチョイスも重視。患者さまの肉体的・精神的・金銭的な負担を軽減できるように考慮しながら、複数の改善方法をご提案し、患者さまのライフスタイルや人生プランに最適・最善の治療プログラムを選択していただけるように努めます。
私たち歯科医院の仕事は、患者さまの歯と口の健康と美しさを改善・維持することです。そのために最も大切なことが「トータルケア」と考える当院では、総合的な診断のもと、審美治療・インプラント治療・歯周病治療・噛み合わせ治療・根管治療等を駆使し、お口の中を美しく健康に導きます。
すべての治療において「精密さ」を重視すると共に、常に「患者さまにとって本当に最適な治療は何か」を追求・実践し続けています。当院では、今後も「チームアプローチ」によって、患者さまの口腔内の健康と美しさを取り戻し、末永く維持できるよう努めていきます。
当院では、下記のような【クレド(Credo)】を掲げ、徹底しています。クレドとは、もともとラテン語で「約束」「信念」「信条」を意味する言葉です。そして企業活動においては、経営理念や会社の約束などをわかりやすく整理し、社員が具体的に行動できるように明文化したものを指します。
かなもり歯科クリニック クレド
「患者さまの満足を第一に優先し、地域社会に貢献する、
常に変化していくクリニックでありつづける。
私たちは、患者さまに満足していただけるよう、最大の努力をします。
私たちの使命は、困り事があり、訪れた患者さまが
再び患者さまとして、来院されないこと。
健康な人が、もっと健康になるため、健康でありつづけるため
私たちは、常に期待を超える一流のサポートをします。」
『満足』の一歩先へ -grow for the next-
当院でも、スタッフ間の共通意識・共通目標を掲げる大切さを認識し、行動規範としてクレドを作成しました。
これにより「患者さまにとって本当に最適な治療を実現する」という医院理念をスタッフ全員がしっかり理解し、「一人ひとりが日々心がけるべきこと」も浸透しています。
スタッフ一人ひとりが具体的なクレドを心に刻むことにより、理念が言葉だけに留まらず、当院で治療や予防ケアを受けられた患者さまの満足度や、二度と同じ症状に悩むことのない健康の実現といった「成果」につながるように努めています。
当院は、品川駅からも程近い新馬場駅北口から徒歩1分という、通院に便利な立地にあります。それだけに、忙しいビジネスマンの方やOLの方のライフスタイルにも対応できるよう努めています。
「忙しいので度々通院するのが難しい」といった患者さまも多くいらっしゃいますので、1回の治療時間は40~60分を目安として十分に取り、通院回数を極力少なくする短期集中治療を行っています。
そのため当院では、基本的に完全予約制とさせていただいています。
私たちは患者さまにスムーズにかつ精密な治療・メインテナンスを受けて頂く為、治療内容に応じ準備をしております。皆さまもお時間に余裕を持ちましてご来院下さい。ご理解とご協力の程、よろしくお願い致します。
ただし急患にも対応していますので、予約の患者さまにお待ちいただく必要が生じた場合には、きちんとお伺いを立て、可能な限りお待たせしないようにしています。
初めて行く歯医者は、大人になっても少しドキドキする方も少なくないと思います。
定期的に通うのが一番良いとされていますが、最後に歯医者に行ったのは何年前だろう…という方もいらっしゃいます。
今ある歯とこれから先何十年とお付き合いをするわけですから大切にしていきましょうね。
私たちは、歯周病専門のクリニックとしてむし歯治療から噛み合わせまで、患者様一人ひとりに合わせたトータルな治療をご提案し、患者様の満足を第一に最後まで治療します。初診のお申込み24時間はWEBから可能です。皆様のご来院を心からお待ちしております。
2024/06/06
01.お知らせ, 04.症 例, 06.歯周病, 07.歯周外科処置, 09.歯周組織再生療法, 10.精密根管治療, 13.エクストルージョン(歯根挺出法)
品川区の歯医者 かなもり歯科クリニックの歯科医師 林です。
当院は歯周病治療専門のクリニックとして他院で「残せない」と診断された歯を残す方法はないか、と相談される機会がとても多いです。
※このようなご相談の場合、他院で診断を受けているためご相談自体が保険適応ではなくセカンドオピニオン(自由診療)となります。セカンドオピニオンの説明については当院リンクをご参照ください。
本日は「なぜ歯を抜かないといけないと診断されたか?」の原因別に、選択しうる対処方法・治療方法をお伝えしたいと思います。
もし歯科医院で(親知らずや矯正のための抜歯の場合を除いて)「抜かないといけない」と診断された場合、その理由はいくつか考えられ、それぞれが入り混じった複合的なケースなどもあります。
その原因は
虫歯が歯肉の深くまで進行している場合
歯周病が進行している場合
根の炎症が治まらない場合
根の炎症と歯周病の進行が複合的な場合
歯が割れている場合
に大別されます。
以下ではそれぞれの原因によっての取りうる対処法を説明したいと思います。
虫歯が歯肉の深いところまで進行している状態を歯肉縁下う蝕と言います。
歯肉縁下う蝕があると虫歯を完全に除去できなかったり、被せ物を精密に作ることができないなど、様々な問題が生じるため抜歯と診断されることがあります。
その場合、当院では歯冠長延長術という歯周外科手術をご提案することが多いです。
歯冠長延長術の詳細な術式と症例については当院のホームページを御覧いただきたいですが、要点をまとめると「歯肉の上に被せ物を作るのに適した健全な歯質を確保する」ための手術となります。
上の画像のように歯肉の上に健康な歯質を確保するためには歯槽骨の上に一定量(大体3mm以上)の健全な歯質を確保する必要があります。
そのために歯肉を開いて歯槽骨の削除を行います。
このような外科手術を行うことで被せ物を精密に作る条件が整うので、その後被せ物により咬み合わせ機能の回復を行います。
より深く虫歯が進行した場合は矯正的に歯を引っ張り上げる方法(挺出:エクストルージョン)を併用するような場合もあります。
ただ、あまりに残っている根の状態が悪い場合は適応でない場合もありますので担当医にご相談ください。
歯周病が進行して歯を支持する歯槽骨がなくなります。
歯槽骨が失われることにより歯がグラグラしたり炎症を起こしたりする場合、保存できないと判断して抜歯を勧められることがあります。
当院では、適応の場合に対して歯周組織再生療法を提案することがあります。
歯周組織再生療法の術式の要点は「歯茎を切開しないと除去できない歯石を見える状態でしっかりと取り、骨より治癒の早い上皮が入りこまないように骨面を特定の材料で被覆して骨の再生を促す」ことです。
言葉で表すと単純ですが、適応症例や予後の予測、また術前のプラークコントロールや術後のメンテナンスなど様々な要素が絡む手術です。
当院は歯周病専門のクリニックとして歯周治療のプロトコルに則った診断と術式を提供しています。
治療の成功例だけ見ると「歯周病はどんな状態からでも治る」と思わせるような夢のある治療に感じられますが、どのような歯、どのような状態でも再生療法で保存できるわけではありません。
その診断と見極め、そしてご自身のセルフケアが大変重要となる治療ですので、その点をご理解いただきたいです。
一度神経を取る治療をしたあとに歯の根先端の炎症が再発し、噛んだときの痛みや歯茎の根元に膿が溜まったりすることで不快感が強くなり、抜歯を勧められることがあります。
根管治療は歯を保存するうえでとても重要な治療ですが漫然と従来の保険治療で根管治療を行っても問題となる症状が改善できるとは限らないのが現状です。
根管処理歯における根尖部X線透過像の発現率
(2005.9〜2006.12 東京医科歯科大学)
当院のHPにも掲載していますが、東京医科歯科大学付属病院による、日本における保険治療での根管治療の再発率(失敗率)を示したグラフです。45~70%の歯において再治療が必要な状態になっていることが分かります。
精密根管治療はラバーダム防湿という方法で歯を他の部位から独立させ、マイクロスコープを用いて強拡大下で専用の器具を使用して根管治療を行う方法です。
精密根管治療を行うことで治療の成功率は上昇することが見込めますが、過去の治療痕や解剖的な問題でどうしても根尖部の感染を取り除けないようなケースがあります。
そのような場合は歯根端切除術や再植術によって外科的に感染を取り除くこともあります。
精密根管治療や外科的な根の治療は歯の保存のためにはとても有益な方法ですが、ただ単にそれだけでは安定した予後が得られません。
CTやレントゲンでの診査、根の解剖的な状態及び根の中だけではなく被せ物(上部構造)をどれだけ安定して行えるかを総合的に判断した上で予後を予測して行うものです。
根の治療が成功しても歯として短命であるなら残すより抜歯したほうが合理的な場合も多々あります。
詳細は担当医にご相談いただきたいです。
上記で示したような歯周病と根の炎症が混在しているケースがあります。
これを歯周・歯内病変と言い、病態によっては治りにくい状態の一つです。
レントゲンで見たときに根の先端まで骨が溶けているので単に歯周炎(歯肉の外側からの感染)と診断されることもありますが、実は歯の中の歯髄(神経)が死んでいて歯槽骨の炎症を起こしているようなケースです。
神経の炎症・汚染が原因で骨が溶けている場合は外からいくら歯周病治療(歯石取り等)をしても歯の症状は改善しません。上に述べたような精密根管治療を行うことで改善が認められることもあります。
どちらが原因になっているか鑑別する一つの方法に歯髄電気診など、歯の神経が生きているかどうかを調べるテストがあります。
これは歯に弱い電気を流して痛みがあるかどうかで神経の生死を鑑別する方法ですが、一つの指標として利用します。
ここで電気を流しても痛みがない、もしくは鈍い感覚しかない場合は神経は死んでいると判断して神経の治療を行います。
両者が混在しているようなケースでは精密根管治療を行った後に歯周組織再生療法を行うこともあります。
いずれにしてもどちらからの感染が主要因となっているかの診断が重要となってきますが、あきらかに歯周病由来と判断されるケースを除いては先に根管処置を行って治療の効果を確認してから歯周病治療を行うことが推奨されています。
このように、歯周病治療を希望したのに根の治療を勧められるような場合はしばしばありますが、治療の成功のために必要不可欠なステップであることが多いのでご理解いただければと思います。
軽度のヒビ(クラック)であれば保存できる可能性がありますが、当院では基本的に割れてしまった歯には抜歯をお勧めしています。
亀裂に入り込んだ感染を取り除くと歯は物理的に弱くなるので噛む力に耐えて機能させるのはとても困難だからです。
ただ、抜歯後の骨を保存するような方法もあるので、当院では抜歯を行う前にその後の処置方針を固めてから抜歯することをお勧めしています。
以上、「保存が難しいと言われた歯を保存する方法」をお伝えしましたが、歯を無理に残すほうが問題となるケースもあります。
具体的には
・ご自身でのメンテナンス(清掃)が困難な場合
・残存させることで顎の左右バランスを著しく損なう場合
・かみ合わせにとってストレスとなるような位置にある場合
・その歯を残すことによって隣の歯に悪影響がでることが想定される場合
・長期予後が望めず治療にかけた時間やコストが大きく無駄になる恐れがある場合
などです
日本の保険診療のシステム上、ご自身の残存歯が多い方が価値が高いと考える傾向もありますが、当院として重要視しているのは患者様が長い人生を通して快適にお食事を楽しめる環境を提供することです。
歯を抜いたあとに義歯やインプラントと上手に付き合いながら長くお食事を楽しむのも大変価値があることと考えています。
もちろん歯周治療専門のクリニックとして天然の歯をできるだけ多く残すという信条は常に念頭に置いておりますが、長期的に安定した口腔内の環境をご提供できるためには何がベストか、という視点で治療のご提案を行っております。
セカンドオピニオン等できちんとご相談、ご納得いただいた上で上記のような治療を進めていくことをお勧めいたします。
以上のように、それぞれ抜歯と診断された原因別の対処法を説明いたしましたが、大まかにまとめると
虫歯が歯肉の深くまで進行している場合→歯冠長延長術
歯周病が進行している場合→歯周組織再生療法
根の炎症が治まらない場合→精密根管治療と外科的根管治療
根の炎症と歯周病の進行が複合的な場合→精密根管治療と歯周組織再生療法
歯が割れている場合→抜歯
となります。
これはあくまで大まかな分類となりますので個々のケースに応じた対応をご提案します。
まずは当院にご相談ください。
私たちは、歯周病専門のクリニックとして虫歯治療から噛み合わせまで、 患者さま一人ひとりに合わせたトータルな治療をご提案し、患者様の満足を第一に最後まで治療します。
初診のお申し込みは、24時間WEBから可能です。 皆様のご来院を心からお待ちしております。 http://kanamorisika.com/yoyaku24h/
2024/05/23
品川区の歯医者 かなもり歯科クリニックの歯科助手の安田です。
ソケットプリザベーションをご存知ですか?
ソケットプリザベーションとは、抜歯窩(歯を抜いた部分)にコラーゲンや骨に代わる材料(体に優しいもの)を入れていくことで、抜歯した部分の周りの骨が吸収されへこむことを防ぐ治療方法のことです。
ソケットプリザベーションを行うメリットや料金、そもそも歯を抜いた後の状態を詳しく説明をしていきます!
歯茎の中には歯を支えている歯槽骨という骨があります。歯槽骨は支える歯がなくなると徐々に吸収されていまい、最終的には骨が痩せてしまいます。また、抜いた歯の周りの歯槽骨だけでなく、隣の歯の歯槽骨も痩せて歯が弱くなり、抜けやすくなってしまいます。
親知らずや状態が悪い歯(折れている、虫歯が大きかった)を抜いた後は治りも悪く、へこんだ状態になってしまいます。
基本的に、歯を抜いた後は抜いた歯の部分で噛めるようにするために入れ歯やブリッジ、インプラントで治療をする必要があります。抜けた部分が陥没しているままだと綺麗に治すことができず、安定性が悪いせいで噛み合わせが悪くなります。
ただ親知らずを抜いた後は別です。噛めるように補綴物(入れ歯など)を入れる必要は基本的にはないことがほとんどです。
しかし、親知らず抜歯で大きな穴が空くと「ドライソケット」と呼ばれる状態になってしまうことがあります。
抜歯した後は穴になってしまった傷口を埋める為に血餅と呼ばれる、血液の塊が形成されます。血餅が何かしらの理由で形成されなかったり、うがいを何度もしてしまい血餅が流れると骨がむき出しになってしまいます。
そうなると、外部からの刺激を直接受け、血餅がある状態と比べると細菌の感染が起こりやすく激しい痛みや炎症が起こってしまいます。これをドライソケットといいます。
抜歯後のうがいのしすぎや傷口の触りすぎ(意外に舌で無意識に触っている方が多いです)や、抜歯直後の飲酒、喫煙、などで本来は骨を覆うはずであった血餅を流してしまう・または血餅が形成されにくいことをして骨が露出してしまうと起こります。
また、大きな親知らずや横に生えている親知らず、元々が大きな歯・歯根肥大が見られる歯を抜いた後、口の中に露出している骨の部分が大きいとそれらもドライソケットのリスクとなります。
抜歯の痛みは基本的に3~4日で痛みはおさまることがほとんどです。1、2週間以上たっても痛みが治まらない、日がたつごとに痛みが強まるなどに加え、抜いた辺りからいやな臭いがするなどがあればドライソケットの症状とみなします。
ドライソケットは、傷口の炎症や細菌の増殖といった菌の感染により引き起こされ、人によっては眠れないほど激しい痛みを伴う方もいらっしゃいます。上記の症状に当てはまる方は抜歯した歯科医院に相談をしてみましょう。
①鎮痛剤を飲んで痛みを抑える
②感染している部分を消毒し、感染を予防するために抗生物質を服用する
③ドライソケットの原因は抜歯後にできるはずの血餅がなくなることによるものです。
なのでもう一度外科的に出血させて新しい血餅を作ります。痛みが強く出る為現在はあまり用いられていません。
以上の事から抜歯窩を露出させたままであると治るのに時間がかかったり、ドライソケットになるリスクがあることがお分かりいただけたかと思います。
そうならないように骨の吸収を抑え、歯茎を平坦化させる方法があります。ご自身で抜歯後の過ごし方を気をつけることもとても大切ですが抜歯後の症状を緩和、特にドライソケットになるリスクを抑えられるような治療方法とも言い換えられます。
その方法が、ソケットプリザベーション(リッジプリザベーション)です。
ソケットプリザベーションとは、抜歯窩(歯を抜いた部分)にコラーゲンや骨に代わる材料(体に優しいもの)を入れていくことで、抜歯した部分の周りの骨が吸収されてしまいへこむことを防ぐ治療方法のことです。
また、抜歯後の部分に対してブリッジや入れ歯、インプラントなどの治療をする予定がある方は、骨が減ってしまうと、安定が悪くなり、長持ちしにくくなります。つまり、抜歯後に治療がある際にはソケットプリザベーションが必要といっても過言ではありません。
①ドライソケットなどの抜歯窩の治療不全を予防できる
②抜歯後の感染のリスクを下げられる
③出血要因(血が止まりにくいお薬を飲んでいる)などがある場合の止血に効果がある
④抜歯後の骨や歯肉を平坦にできることにより、治療後に入れるインプラントや義歯の安定が得られる
⑤抜歯後、食べものが詰まったりする不快感が軽減される
取り扱いがある歯医者が限られます。自分の通っている歯医者に取り扱いがあるか確認してから抜歯をすることを推奨します。
また、保険適応外であることをデメリットと捉える方もいらっしゃいます。
ソケットプリザベーションは保険適応ではありません。
ソケットプリザベーションに使用する材料の違いがあり、医院によって値段は様々です。かなもり歯科クリニックでは35000円(税抜)となります。
体の中に入れても問題ない、生体親和性があるものを使用します。
・抜歯窩に入れる材料
当院で抜歯窩に入れる材料は主にコラーゲンです。インプラントなどを行うときは人工骨や自家骨を抜歯窩に入れることもあります。
・縫合糸
歯を抜いた後は、歯ぐきを縫っていきます。一般的に親知らずの時に使う糸はシルク(絹糸)であり、メリットはしっかり縫える、ほどけずらい等ですが、汚れが付きやすいなどのデメリットもあります。
ソケットプリザベーションは、体に吸収されても問題ない糸:吸収性縫合糸と呼ばれる体に優しい材料のもの・あるいは、汚れがつきにくいナイロン(合成樹脂)の細い糸を使用することで糸についた汚れからおこる感染を防いでいきます。
ソケットプリザベーションでは通常の抜歯と同様に翌日の消毒に加えて糸を取る(抜糸)をする必要があります。抜糸まで待つ期間は1週間です。
ソケットプリザベーションをすることによるリスクは特にはありません。
むしろ、ソケットプリザベーションをせずに抜歯のみ行った場合、抜けた後の穴が露出して感染のリスクがぐっとあがります。
ソケットプリザベーションをすることで抜歯後の症状が悪化することはありません。
抜歯を終えたことによる痛みはありますが、ソケットプリザベーションをしたことによる痛みはありません。
抜歯後の症状、特にドライソケットを防ぎたい方や抜いた後に治療が控えている方はソケットプリザベーションを考えてみてはいかがでしょうか。
抜歯は今後のお口の中の環境や他の歯を守る事に対する歯科医師からの提案です。将来的な良好な噛み合わせ、不自由のない食事に対して行うことであり、前向きに捉えて治療に取り組んでいただければと思います。
私たちは、歯周病専門のクリニックとして虫歯治療から噛み合わせまで、 患者さま一人ひとりに合わせたトータルな治療をご提案し、患者様の満足を第一に最後まで治療します。 初診のお申し込みは、24時間WEBから可能です。 皆様のご来院を心からお待ちしております。
2024/05/09
品川区の歯医者 かなもり歯科クリニックの歯科衛生士の深澤です。
お口の中を清掃する道具と言えば『歯ブラシ』ですが、それ以外にも様々な道具や清掃方法があります。
ところで、歯ブラシだけでお口の中の汚れ(プラークとも言う、細菌の塊のこと)や、食べた物がどれだけ取れるかご存知ですか?
時間をかけて、力を込めて磨けば、ほとんど清掃できるのでしょうか。
………
その答えは、歯ブラシだけでは、お口の中全体のおよそ60%しか清掃できないと言われています。
つまり結論は「歯ブラシだけではダメ!!」です。残りの40%は主に、歯ブラシの届かない歯と歯の間の部分になります。歯と歯の間の歯ぐきは、表面の歯ぐきとは違いバリア機能がなく、細菌に簡単にやられてしまい炎症が起こりやすい部分です。
口は全ての入口、健康の入口です。口の中の悪玉菌たちは炎症した歯ぐきの毛細血管からだけでなく、食道から様々な臓器へと広がっていきます。悪玉菌は胃酸で死ぬと言われていましたが、それは空腹時だけのお話。胃を通りすぎて全身に広がり、がんや心疾患、認知症など万病の原因になることもあります。口の中だけでは終わらない、全身に関わる恐ろしいものなのです。
歯ブラシの届かない歯と歯の間には、今から紹介する補助用具が必要になってきます。今回は歯ブラシと、代表的な補助用具について詳しく紹介していきます!
お口の清掃といえば歯ブラシですね。歯ブラシには形や硬さ、毛先にも様々な種類があります。硬さには「かため」「ふつう」「やわらかめ」があります。毛先は、先端が丸い「ラウンド毛」、先端が細い「テーパード毛」、さらに細い「スーパーテーパード毛」があります。歯周病が進んでいる状態でなければ「ふつう」の「ラウンド毛」を選択していただければ問題ありません。「かため」が好きという方は、歯ぐきを傷付けないよう力加減に注意しましょう。力加減を間違えると、歯ぐきが傷付くだけでなく、歯も削れてしみる原因になってしまうからです。
使用時のポイントは、歯に密着させて細かく動かすことです!大きなストロークは、毛先が逃げてしまい汚れの取り残しが多くなってしまいます。歯に当てる力は優しめで問題ありません。強い力をかけなくても汚れは落ちます。歯ブラシの毛先がしっかり歯に当たっているかが重要になります。
また、歯ブラシの交換は衛生面も考慮して1か月を目安に行いましょう。毎日使うことで毛先は徐々に広がっていき、清掃効率が大きく下がってしまいます。自分に合っている歯ブラシがわからなかったり、自分の磨き方が問題ないか気になる…という方は、かかりつけの歯医者さんの歯科衛生士にぜひ質問してみてくださいね!
ここからは補助用具の話になります。冒頭で説明した、歯ブラシで磨けなかった残り40%の汚れを補助用具で取り切る必要があります。補助用具と言っても、種類がたくさんあり自分で何を選べばいいかわかりませんよね。そこで、それぞれの特徴や使い方を説明していきます。
歯間ブラシは歯と歯の間にある程度の隙間がある場所(ブリッジ、インプラント、矯正中、隣の歯がない場所の側面など)に使用する細長いブラシです。歯間ブラシにはつまようじのようなストレートタイプと、角度のついたアングルタイプがあります。どちらが良いのかは、ご自身が使いやすい方で問題ありません。
歯間ブラシにも毛の種類があり、ナイロン毛タイプとゴムタイプがありますが、清掃効率が良いのはナイロン毛タイプと言われています。サイズについては、隙間にピッタリよりも少し余裕のあるサイズを選びましょう。理由は、歯ぐきを傷付けたり、歯ぐきが下がって隙間が大きくなるリスクがあるためです。
使用時のポイントは、
①表側だけでなく裏側からも入れる!両側から入れて初めて歯間ブラシの100%の効果を発揮します!
②こする時は歯ぐきに押し付けない!上記のサイズの話と同様、歯ぐきを傷付け、歯ぐきが下がって隙間が広がる可能性があるためです!
上の歯で使う時は斜め下に向けて、下の歯で使う時は斜め上に向けて入れるようにするとスムーズになりますよ。ただし歯並びによっては入らない、入れづらい場所もありますので、難しいようでしたらコツを歯科衛生士に聞いてみてくださいね!
歯と歯の間にある程度の隙間がある場所に使用するブラシです。歯間ブラシと異なり、歯と歯の間だけでなく表面も磨ける、使い勝手の良いブラシになります。
普通の形の歯ブラシでは届きにくいような、一番奥の歯の裏側や、歯並びの悪い部分、生えかけの歯、インプラントの根元などをしっかりポイントで清掃できるよう、先が尖っているタイプがメジャーな形になります。
使用時のポイントは、毛先を歯に密着させ、小刻みに、または円を描くように動かすことです!
歯ブラシを奥に入れると嘔吐反射(歯ブラシを奥の方にいれると気持ち悪くなり、えずく症状)がある方は、小さいタフトブラシを使用することで嘔吐反射を抑えることができます。毛先が平らなカットになっているタフトブラシもあり、尖っているタイプより平らなタイプの方は大きな面積で当たるため、しっかりと磨くことができますのでおすすめです。
舌は、舌苔(ぜったい)という粘膜の表面が代謝によって剥がれ落ちたものや、細菌などが付着して白くなることがあります。この舌苔は口臭の原因になりますので、口臭が気になるという方はチェックしてみてはいかがでしょうか。胃腸が悪い時なども舌苔が多くなりやすいため、体が不調というサインにもなることがあります。
注意していただきたいのは、歯を磨いたついでに…と、通常の歯ブラシで舌を磨いてしまうことです。通常の歯ブラシですと舌に刺激が大きすぎて傷付ける原因となります。必ず歯ブラシよりも毛の柔らかい、舌専用ブラシを使用して清掃しましょう!
舌ブラシにもいくつか種類があります。ブラシタイプは舌の表面に無数にある小さな突起の間まで清掃することができます。しかし力加減を間違えると舌が傷付いてしまいます。ブラシがゴムになっているタイプも同様です。
ヘラタイプは細かな隙間には入りませんがブラシタイプより優しく、傷付けるリスクがそこまでないと言われています。
使用時のポイントは、
①奥から手前に、一方向に動かす
②力を入れすぎない
③無理をして奥まで入れすぎない(えずいてしまいます)
舌ブラシの回数は1日1回、おすすめのタイミングは起床時です!細菌は寝ている間に爆発的に増えるためです。
取れないからと言って力強く舌に当てすぎると、舌の表面にある味を感じる細胞を傷付けてしまい、味覚が鈍くなることがありますので優しく行ってくださいね。
使用後は歯ブラシ同様、よく洗い乾燥して保管しましょう。
手でしっかりと持てるホルダーが付いており、フロスを使用したことがない初心者の方やお子さまにも扱いやすいタイプになります。使用方法は糸タイプと比較すると簡単ですが、動かせる範囲が狭いため清掃性が低いことです。手軽に扱えて操作が簡単なため、患者様の中には普段は糸タイプで、疲れて気力がない時はホルダータイプと使い分けている方もいらっしゃいます。
ホルダータイプと違い、動かせる範囲が広く、常に新しい糸部分を使用することができるため、ホルダータイプと比較して清掃性が高いと言えます。
ただ操作方法が少し難しくコツが要るため、断念してしまう方も多いです。糸巻タイプを使い続けることができるのであれば、清掃性の高さから、ホルダーよりも糸巻タイプを使うことがおすすめです。
使用方法については、当院の過去記事を参考にしてみてください!フロスのワックス加工の違いについても紹介しております。
http://kanamorisika.com/blog/2024/01/04/10616/
強い水流で歯と歯の間を清掃する機械になります。フロスよりもさらに簡単に扱うことができます。ただし覚えておいていただきたいのが、ウォーターフロスでは歯と歯の間に挟まった食べ物は取れますが、細菌の塊は取り切ることができません!細菌たちは私たちが食べた物をエサに代謝し、ベタベタした足場を作って歯にくっつき生きるための場を作ります。ウォーターフロスを使用するとスッキリしますしマッサージ効果もあると言われていますが、ベタベタした組織は水流だけでは取り切れないため、必ず歯間ブラシやフロスを使用して「擦る」という作業が必要なのです!
洗口剤の中にも、むし歯や歯周病の予防、口臭、再石灰化の促進(フッ素)などこちらも様々な種類があります。歯ブラシと洗口剤を併用することにより、お口の中の細かい部分や粘膜にまで、殺菌などの薬用効果を得ることができます。
歯ブラシの後に洗口剤を使用したら、薬用効果を保つため水でゆすがないようにしましょう。アルコールを含んだ刺激の強いタイプもあるため、苦手な方はラベルをよくチェックしてノンアルコールを選択しましょう。
洗口剤の中にはあたかも洗口剤だけでお口の中がきれいになるように謳っているものがありますが、洗口剤だけで汚れは落としきれません!上記のウォーターフロスの項目と同じで、ベタベタした細菌たちを落とすには必ず「擦る」というような機械的な作業が必要になります!
当院おすすめの洗口剤など、こちらの記事で紹介しておりますのでぜひご覧くださいね!
http://kanamorisika.com/blog/2024/04/11/11377/
繰り返しにはなりますが、口は全ての入り口、健康の入り口です。歯ブラシだけでなく今回紹介させていただいた補助用具もしっかり使用してくださいね!歯ぐきの中などの用具が届かない部分は、プロである私たちにお任せください。ご自身で磨けていると思っていても磨けていない部分はどんな方でもあるものです。
磨き残しがあった部分を歯科医師・歯科衛生士からフィードバックすることを繰り返せばお口の中が磨けるようになります。ご自身での歯ブラシや使用している歯磨き粉など、何か気になることがございましたらお気軽にご質問ください!
定期的な検診で、お口だけでなく全身の健康を守っていきましょう!(健康な歯が多いほど、将来かかる医療費が減少するというデータもあります)
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
私たちは、歯周病専門のクリニックとして虫歯治療から噛み合わせまで、 患者さま一人ひとりに合わせたトータルな治療をご提案し、患者様の満足を第一に最後まで治療します。 初診のお申し込みは、24時間WEBから可能です。 皆様のご来院を心からお待ちしております。
http://kanamorisika.com/yoyaku24h/
2024/04/25
品川区の歯医者 かなもり歯科クリニックの歯科助手 須藤です。
歯医者さんの検診で虫歯はないと言われたのに、
冷たいものを飲んだり、棒付きアイスをかじったときや歯ブラシを当てた際に歯にチリッとするような鋭い痛みがほんの一瞬出たことはありませんか?
その痛み、知覚過敏(ちかくかびん)かもしれません。
現在、日本人の4人に1人が知覚過敏であるというデータもあるほど、知覚過敏で悩まされている人はとても多いです。有病者率とすると、4.8%から62.3%であり、平均で33.5%の日本人が知覚過敏があると言われています。
知覚過敏がなぜ起こるのか、原因と対処法などを説明いたします。
正式名は、象牙質知覚過敏症(ぞうげしつちかくかびんしょう)です。
歯に炎症や虫歯が無いにも関わらず、冷たいもの・あまいものの飲食時(温度刺激)や歯磨きの(機会的刺激)ブラシなどの際、寒い冬に口呼吸した時(乾燥)に一過性に鋭い痛みが出る症状のことです。
アイスをかじったときにズキンと痛んだり、歯ブラシが当たると歯がぴりぴり、チリチリしたりなど、歯に刺激が加わった時に現れ、1分ほどで痛みが治るのが特徴です。
また、虫歯治療やホワイトニング(歯の漂白)のあとに知覚過敏を発症することもあります。
その場合は単なる知覚過敏ではなく、歯の神経が歯を削ったり歯の表面に強い薬液を使用することで一時的な炎症を起こしている可能性が高いですが、基本的には健康な状態に戻ります。
知覚過敏は歯の内側にある象牙質(ぞうげしつ)と呼ばれる層が露出し、刺激が歯の神経に伝わりやすくなることによって生じます。
歯の基本構造はエナメル質、象牙質、セメント質の3つの組織で構成されています。
歯の表層である、とても硬いエナメル質は刺激を受けてもしみるような痛みがでることはほとんどありません。
しかし、硬いエナメル質がなんらかの原因で削れてしまうと
中にある象牙質が露出し、象牙質を構成する象牙細管という部分が開口してしまいます。
この開口した象牙細管が知覚過敏の発症と関係しているとされています。
露出した象牙質の写真の一例です。
歯の下部は歯肉縁付近の象牙質が露出していることから黄色がかった色合いをしており、この色合いはエナメル質により白く見える上部の色とは異なります。
知覚過敏が発症するメカニズムとしては、現在少なくとも4つほど説が唱えられていますが有力な説として「動水力学説」というものがあります。
象牙質の中には無数の象牙細管という直径0.8〜2.2マイクロメートルほどのとても細い管が集まっています。管の中は象牙細管内液という液体で満たされており、この管は歯の中心にある神経(歯髄)につながっています。
エナメル質に象牙質が覆われていれば象牙細管内液が移動することはないのですが、
なんらかの原因で象牙質が露出して、象牙質表面に刺激が加わると、象牙細管内液が象牙質の表面側に移動します。(外向き移動)
外向き移動することによって象牙質と歯髄との境目に存在するAδ繊維の自由神経終末が興奮し、ピリピリとした不快な痛みが発生します。
専門用語で説明すると、機械的な刺激によりイオンチャネルが解放され、Na+ イオンが細胞に侵入して活動電位が開始されるようになります。
知覚過敏は象牙質の露出で起こることがお分かりいただけたかと思いますが、
そもそもなぜ、ダイヤモンドと同じくらい硬いと言われているエナメル質がなくなり、象牙質が露出してしまうのか、知覚過敏の本当の原因について説明していきます。
健康な歯肉の状態では歯の根っこは歯肉に覆われており象牙質は露出していません。
しかし以下のような要因で歯肉が退縮してしまうと、歯肉と一緒にセメント質も失われてしまい、歯の根っこの部分にはエナメル質がなく、象牙質が露出し、刺激を受けると痛みが出てしまいます。
歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯を支える歯槽骨が溶けることで一緒にや歯の周りの歯ぐきが下がってしまう病気です。
歯と歯肉の境目の清掃が行き届かないでいると、
そこに多くの細菌がとどまり歯ぐきが炎症を起こして赤くなったり、腫れたりしますが痛みはほとんどの場合ありません。 (歯肉炎)
痛みがないため、気付かずに進行してしまい歯を支えている骨が溶けることにより、膿がでたり歯が動揺してきて、最後には歯を抜かなければならなくなってしまいます。
また、歯周病の治療により歯周ポケットが正常値に戻ったとしても、歯ぐきの位置は歯周病により骨が溶けた後の位置になるため、歯肉は下がり、象牙質が露出していまいます。
歯周病についての詳しい記事はこちら
毎日の歯磨きは大切ですが、歯ブラシの当て方によっては歯ぐきに影響があります。
歯ブラシをゴシゴシと強い力で当ててしまったり、電動歯ブラシを押し付けてしまったりすると毎日の歯ブラシで歯ぐきが下がり、象牙質が露出してしまいます。
酸性の食べ物、甘いジュースやお酢などの飲み物を長時間かけて摂取することにより歯の表面を覆っているエナメル質が溶けて象牙質が露出してしまいます。
そのことを「酸蝕症」といいます。
通常口腔内はpH6.8〜7.0の中性です。 エナメル質はpH5.5以下になると溶けやすくなります。さらに中の象牙質はpH6.0〜6.2というより中性に近い状態で溶け出してしまいます。
酸蝕症の原因は、体内から口に酸が出る等胃液による内因性のもの、酸性度の強い飲食物を口にする外因性のものの2つに分けられます。
内因性には胃食道逆流症など胃や食道の病気、摂食障害による嘔吐などがあります。
胃酸の口腔内逆流で長時間口の中が酸性に傾いてしまうことにより酸蝕歯になりやすくなります。
外因性は酸性度の高い飲食物やお薬、サプリメントなどの過剰な摂取などがあります。
とくに炭酸飲料や栄養ドリンク、スポーツドリンクなどを日常的に良く飲む方は飲み方に注意が必要です。
Tooth wearとは、歯がなんらかの理由によって摩耗してしまう疾患を総称したものです。
加齢や食いしばり、歯ぎしりをすることにより歯がすり減ってしまいます。夜間の歯ぎしりや食いしばりが強い、ストレスなどで食いしばってしまっている、日中上の歯と下の歯が接触してしまっている、噛み合わせにより1部分の歯に負担がかかってしまっているなどによりエナメル質が欠けて象牙質が露出してきます。
象牙質の露出がある・ないかかわらず、生活歯のホワイトニングを受けた60%の人に痛みが発生するといわれており、一時的に、ホワイトニングに用いる過酸化水素・過酸化尿素などの薬剤によって知覚過敏の症状が起きることがあります。
自宅で行うホームホワイトニングは薬剤の濃度が低くなっているため、知覚過敏が起こりにくいですが、装着時間を規定の時間より長く行ってしまうことにより強くしみるため注意が必要です。
この場合は熱すぎるものや冷た過ぎるものを避けて歯の神経(歯髄)に炎症を起こさないように注意すれば、時間経過で痛むことはなくなります。
短期間で消失するものではありますが、1週間程度経っても強い痛みが治らないようであれば、早めに歯医者さんに相談してください。
知覚過敏ケアのはみがき粉には、硝酸カリウムや乳酸アルミニウムという薬剤が配合されています。
硝酸カリウムから出るカリウムイオンは歯髄神経の脱分極を起こすことで、その活動電位を不活性化します。そうすることで知覚過敏による刺激の反応を鈍くし緩和させる効果があります。
乳酸アルミニウムは神経に通じている象牙細管を封鎖して、刺激を防ぐ効果があります。
即効性はありませんが、毎日使用することで徐々に症状が収まることが期待されています。
成分に含まれるシュウ酸により象牙質細管に蓋をする製品が中心です。シュウ酸がエナメル質もしくはセメント質のハイドロキシアパタイト(カルシウム)と反応することにより、生成されたシュウ酸カルシウムの結晶が象牙細管に蓋をします。
保険適応で比較的安価に行うことが可能です。
当院ではスーパーシールを使用しております。
以下スーパーシール商品ページより
歯科用知覚過敏抑制材料 ・主成分「シュウ酸」は、歯質のカルシウムと反応し、生体親和性のある不溶性の「シュウ酸カルシウム結晶」を形成して知覚過敏を抑制します。 ・「5秒間こすり塗り、3秒間エアーブロー」 簡単操作・時間短縮を実現しました。 ・窩洞形成後の知覚過敏抑制 ・SRP・PMTC 前後の知覚過敏抑制 ・幅広い知覚過敏の症例に使用してください
象牙質が露出している部分に知覚過敏を抑制するための薬を塗布した後、強い素材のプラスチックで埋めて、刺激を伝わりにくくする方法(ダイレクトボンディング)があります。
ダイレクトボンディングとは、白い詰め物を歯に直接(ダイレクト)接着する(ボンディング)技術を用いて歯を修復する治療法のことです。
審美性の高い修復用プラスチックを直接歯に盛りつけていき、天然歯のような美しい色調や本来の歯の形態を回復します。こういった材料で埋めることで失ったエナメル質の役割を果たし、刺激を伝わりにくくします。
保険治療でできるコンポジットレジン修復(CR)は材料が硬化する際に大きく収縮することによりできる隙間から虫歯になるリスクが上がるため、治療の際は注意が必要です。
しみやすいからといって安易に収縮率の高いCR(コンポジットレジン)を詰めてしまうと以下のような虫歯になるリスクがあるため、注意が必要です。
歯科で取り扱うEr:YAGレーザーは水に対する吸収特性が高く、歯質の蒸散時に開口してしまった象牙細管を封鎖する作用があります。
エビデンスは確立していませんが、臨床的に有効性が認められています。
知覚過敏について症状や原因、対処方法についてご紹介しました。
自分では知覚過敏だと思っていたとしても、実は虫歯であったり歯が割れてしまっている時もあります。そうなると早い段階での治療が必要となります。知覚過敏かな、と思ったら自己診断はせずに歯医者さんにいき、レントゲンなどの検査をしてもらいましょう。
また、最後の方に治療法として紹介をしたダイレクトボンディングを扱う歯医者は限られていますので、ダイレクトボンディングを取り扱っているかを医院のホームページで確認することをおすすめします。
ご自身では虫歯なのか知覚過敏なのかご不安になることもあるかと思いますので歯科の定期健診の際にご相談ください。
私たちは、歯周病専門のクリニックとして虫歯治療から噛み合わせまで、 患者さま一人ひとりに合わせたトータルな治療をご提案し、患者様の満足を第一に最後まで治療します。
初診のお申し込みは、24時間WEBから可能です。 皆様のご来院を心からお待ちしております。 http://kanamorisika.com/yoyaku24h/
2024/04/11
品川区の歯医者 かなもり歯科クリニック歯科助手 西山です。
当院には歯周病専門医・指導医・認定医の資格を持った歯科医師が複数在籍しています。
歯周病専門医・指導医とは、日本歯周病学会が歯周病治療の知識や経験を認めた歯科医師に交付する資格認定制度であり、審査・試験を経て、合格した歯科医師に交付される資格の事です。
当院の院長は、この歯周病専門医・指導医の資格を有しています。
歯周病専門医・指導医制度を歯周病治療の標準的な知識を持ち、適切な治療が行える歯科医師である、指標であると考え、当院に通院していただく患者様も少なくありません。
今回は、歯周病に限らず歯科の総合的な知識を有し、歯科のトレンドを熱心に取り入れる院長のもとで日々働く当院スタッフ、歯科医師・歯科衛生士・歯科助手がおすすめする口腔清掃器具を聞いてみました!
スタッフ自身が気に入って使用している、おすすめできるものを物販に新しく取り入れて使用して頂くことで当院の患者様のお口の中の健康を守っていきたいと思いましたが、今までのスペースでは限られていました、、、
その為物販ブースをこの度改装し、新しくしました!
前よりも広く、幅広い種類の物販を取り入れています!
実際に患者様自身で手に取って頂き、サイズ感などを確認していただけるようになっています。
今回は、歯科医師・歯科衛生士・歯科助手の中でそれぞれ特に人気があったものを紹介していきます。
歯周病専門医・指導医の資格を持つ院長がおすすめしているのはフィリップスソニッケアーブラシです。
ソニッケアーは軽くあてて磨くだけで手磨きと比較して、20倍の歯垢除去ができること!
歯を優しく磨くことができます。
おいしい飲み物や食べ物は、歯を汚しやすいです。
ソニッケアーは歯垢とステインどちらも除去でき、
白く自然な歯へ近づくことができます。
歯間の汚れまできれいにでき、独自開発の音波水流が出ます。
そしてソニッケアーは歯科専門家とともに開発されたもので、約30年にわたる研究と開発によって、進化し続けています。
歯科医師・歯科衛生士のみなさんに信用され、長く使い続けられているため、
日本学校歯科医会も推進しています。
ソニッケアーは日本学校歯科医会が推進していて当院も大人用、子供用と販売しています。
また、ソニッケアーは子ども用も商品展開を行っています。
大変人気がある為当院でも販売を行っております。
”どうしたら口を上手く開けてくれるのだろう”
”磨き残しを減らすにはどうしたらいいのだろう”
そんなお悩みをお持ちのお父様、お母様いらっしゃいませんか?
ソニッケアーキッズの特徴は毎秒500回の振動と振幅の組み合わせで音波水流を発生し、
その音波水流を使用して汚れを落とし、
手磨きで行うよりも、最大で75% 多く歯垢を除去することができます。
振動も調節ができるため、お子さんにあった状態で使用することができます。
最初は少し慣れないと思いますが、
最初は1分間から、
毎日歯磨きをすることで、少しずつ2分間まで長くなるように設計されています。
そして大きなPOINTがお手持ちのスマートフォンやタブレットに接続できるBluetoothが、
キッズブラシ本体に内蔵されているので『ソニッケアーキッズ』アプリをインストールすれば、アプリがお子様に上手な歯磨き指導をしてくれます。
歯磨き中はアプリの画面に合わせて歯磨きをし、
次にどこの部分を歯磨きしたらいいかをアプリが詳しく教えてくれます。
毎日の歯磨きを記録することができるので
お子様の歯磨き習慣を親御さんがチェックすることができるのも嬉しいポイントです☆
実際に院長のお子様も使用されているとの事で、
毎日楽しくタブレットを見ながら歯磨きをしているそうです!
大人用ソニッケアーブラシも子供用と同じで本体にBluetoothが内蔵されているため、
アプリが磨き方を教えてくれます。
ブラッシングが足りていない箇所を教えてくれます。
ブラシを押し付けすぎてしまうと振動と光で教えてくれるため
一人一人にあったオーラルケアの方法とコツを知ることができます。
そしてキッズブラシと大人用の最大の違いがブラシにあります。
自分の症状に合った、自分の骨格に合ったブラシを選ぶことができるのが最大のポイントです。
選んだブラシのモードを本体に設定することもできます。
受付にソニッケアーのパンフレットを置いておりますので
気になる方は是非チェックしてみて下さい!
まず歯垢(プラーク)とは、歯の表面に付着している、白色または黄白色のネバネバした物質のことを指します。
細菌は歯に付着しても、多くは唾液で流されます。
唾液の流れが悪い場所に付着するとそこで増殖を始め、
これを放っておくと菌の作った酸が、
歯の表面のエナメル質を溶かして虫歯を発生させてしまうことがあります。
この歯垢が固まると皆さんも聞いたことがある『歯石』になります。
歯石になる前にしっかり歯垢の時点での除去が大切になってきます。
口の中の環境や唾液の量にもよりますが、ほとんどの方は3~6か月くらいで新たなプラークや歯石が作られてしまいます。
しかし定期的に歯石を除去することで、歯周病のリスクは抑えることができます。
歯を失うトラブルである歯周病を予防するには、
定期的なブラッシングと定期的に歯医者さんに通うということが重要となります。
歯科衛生士さんがおすすめする商品は フロアフロス です!
お店などで沢山の種類のフロスを目にする方が多いと思います。
でもどれが一番使いやすいのか、汚れをしっかり取ることができるのか
購入時に迷ってしまいますよね、、、。
そんな方におすすめしたいフロスがフロアフロスです!
1.フロアフロスは384本の糸が1束となっており、その繊細な束が歯茎の中の細菌まで取り逃すことなくゴッソリ絡め取ります。
2.摩擦や唾液でフワッと広がる性質であるため、歯茎に入れても痛みがありません。
3.イタリアのフロス研究の第1人者が開発に携わっているため、歯茎のケアのために開発された商品です。
中指の第一関節に巻く!
中指に巻くことで、人差し指と親指が自由に動かせます。
これで前歯、奥歯の歯茎ケアをスムーズに行うことができます。
フロスの長さ1~2㎝にする!
写真のように両手でフロスを巻き、人差し指で支えます
両側のフロスの間の距離をが長くならないように気を付けましょう。
奥歯は指を使って口の中に入れ込む!
しっかり指を入れ込むことで奥歯のフロスがしっかりできます。
右写真のように頬の外側に出てしまわないように、
内側に入るように意識しましょう。
これから先、歳をとっても楽しくお食事ができるように
フロスで歯のケアをすることはとても重要です☆
歯ブラシだけではケアできない『歯と歯の間』や『歯茎にひそむ細菌』を1日1回取り除く。
そうすることで今だけでなく、これからの健康を守る1つとなります。
是非実際に手に取ってそれを実感してみて下さい!
大きいサイズはお家用に、小さいサイズは持ち運びに便利なのでポーチなどに入れて外出先でも使用できるサイズとなっております。
大きいサイズを購入された方は、
次回詰め替え用で購入ができるようにケースは大切に保管して
捨てないようにしてくださいね☆
受付洗面台に大きいサイズを置いております。
購入する前に一度使用してみたいな、、、と思う方は是非実際に使用して効果を見てみて下さい。
使い方が分からない方はお気軽に当院スタッフにお申し付けください。
歯科助手おすすめ商品は モンダミンハビットプロ です!
ハビットプロは歯科医院専売洗口液となります。
そして3つの薬用成分で歯ぐきを守り、口臭を防ぎます。
「CPC」殺菌成分。原因菌を殺菌し、歯垢の付着を防ぐ。
「GK2」抗炎症成分。歯ぐきのハレと炎症を防ぐ。
「TXA」出血予防成分。歯肉炎による歯ぐきからの出血を防ぐ。
通常のモンダミンは薄めて使うタイプのものがほとんどですが、
ハビットプロは希釈の必要が無く、安定した効果効能が望めます。
そしてノンアルコールで低刺激の為ピリピリせずに、後味がスッキリ爽快で、
お子様も安心してお使いいただけます。
歯面に付着する菌を歯ブラシだけで除去するだけでは不十分です。
舌・咽頭などの粘膜部分にも付着する菌も殺菌をできるのがこのハビットプロです!
当院では1080ml、80ml、自動ディスペンサー、1080mlに使用できる専用ポンプを販売しています。
日常(毎日)の歯磨きに加えて適量10~20mlをお口に含んで、
20~30秒程度すすいでから吐き出します。
使用後はお口をすすぐ必要はありません。
30分間程度飲食は控えましょう!
当院で1080mlをご購入されると
蓋の裏側部分に目盛りの記載があるので一回がどのくらいの量か見てわかるのでとても便利です!
自動ディスペンサーは
コップをかざすと自動で一回分の量が出てくるようになっているので
患者様からも人気があります!
フロアフロス同様、味など気になる方は受付洗面台に自動ディスペンサーを使用して実際に試してみて下さい!
実際に歯ブラシでブラッシングを行っても歯垢(プラークと呼ばれる磨き残し)は6割ほどしか落とせないと言われています。
それ以外の部分に関しては歯間ブラシやフロス、その他今回ご紹介させて頂いたうがい薬等を使用していただく必要があります。
当院の物販ブースには、今回ご紹介させて頂いたもの以外にもおすすめ商品を展示させていただいてます。
是非気になった商品を手に取ってみてください☆
スタッフのおすすめ物販も見れるかも(#^^#)♪
自分に合っているものかわからなければ、クリーニングや治療で来院した際に、歯科医師か歯科衛生士に聞いてみてくださいね。
私たちは、歯周病専門のクリニックとして、虫歯治療から噛み合わせまで、
患者さま一人ひとりに合わせたトータルな治療をご提案し、
患者様の満足を第一に、最後まで治療します。
初診のお申し込みは、24時間WEBから可能です。 皆様のご来院を心からお待ちしております。
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