顆粒入りの歯磨き粉の注意点とは?顆粒の正体について解説!

かなもり歯科クリニック 医院ブログ

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顆粒入りの歯磨き粉の注意点とは?顆粒の正体について解説!


 

品川区の歯医者 かなもり歯科クリニックの歯科医師 沼部です。

歯磨き粉を選ぶときに、「よく磨ける!」などの広告をみたり、歯についた着色を取りたいがために顆粒入り歯磨き粉を選んでいませんか?

「顆粒によって自分で磨ききることが出来ない部分の汚れを浮かせることができる」と聞くと、つい使いたくなりますが実は顆粒入りの歯磨き粉には注意が必要です。 
    

顆粒入り歯磨き粉とは

歯磨き粉にはいっている白い顆粒は、歯の表面の汚れを浮かせる為に配合されていることが多いです。歯磨き粉の会社によっては磨きづらい部分まで顆粒が入り込み、よく磨けるという表記もされています。

 

白い顆粒の正体

白い顆粒は汚れを落とすための「清掃剤」「研摩材」として配合されます。顆粒の種類は沢山ありますが、日本で販売されている歯磨き粉に含まれる顆粒として使用される頻度が高い成分の例をいくつかあげます。 


・炭酸カルシウム(CaCO3)
・リン酸カルシウム
・酸化アルミニウム
・無水ケイ酸(シリカ)

大前提として、これら全て飲み込んでしまったりしても体に有害な作用をもたらすような悪いものではありません。

顆粒入り歯磨き粉のメリット

爽快感があることや、自宅で手早くステイン(着色)を除去できるメリットがあります。

  

顆粒入り歯磨き粉のデメリット・注意点

顆粒により手早く汚れを除去できる反面、歯を傷つけてしまうリスクがあります。

強い力でブラッシングをしてしまうと硬い顆粒が歯の表面をこすり歯が傷ついてしまいます。

また、顆粒が歯と歯の間や被せものの隙間に長時間残ると、歯茎の炎症や歯周病につながってしまってしまいます

 

顆粒が口腔内に残ってしまっている実際の写真

こちらは、当院のメインテナンスの3時間前に自宅で顆粒入りの歯磨き粉を用いて歯みがきをした患者様の口腔内の写真です。(マイクロスコープで撮影)

北品川 歯医者 歯磨き粉

 

歯茎の際の部分に、白い粒が付いているのが見えます。歯みがきをしてから3時間も経っているのに、歯周ポケットの中に入り込んでしまっています。このまま排泄されずにずっと歯茎の中にいてしまったら、歯茎が下がり歯周病になってしまいます。

歯周病の正しい知識についてはこちらのリンクを参照してください

歯周病とはどのようなもの? 

 

そもそも、歯磨き粉がなくても正しい歯ブラシの使い方・動かし方ができていれば、磨き残しをなくすことができます。

ではなぜ歯磨き粉を使うように指導するかというと、歯の強化の為です。

具体的には、

・虫歯の発生・進行を防ぐため、
・歯周炎(歯槽膿漏)の予防
・口臭防止
・飲食物由来の着色やたばこのヤニ除去
・歯石の形成・沈着を防ぐ

などが主な歯磨き粉の役割です。

 

磨き残しをなくすためには顆粒に頼るのではなく、定期的に歯医者さんに通い「正しい歯みがきの方法」を知り、歯みがきの上達をすること、定期健診へ通うことが重要です。

 

使用を控えた方が良い方

インプラントが入っている方

インプラント治療している方は白い顆粒がインプラントと歯茎の間に入り込んでしまい、インプラント歯周炎(インプラント周りの骨が溶ける要因)になってしまうので使用は控えてください。

また顆粒によりインプラントの表面に傷がついてしまい、細菌やプラークがつきやすくなってしまいます。

  

歯周病の方

歯周病である方は、白い顆粒が歯周ポケットに残り続けることで歯周病の憎悪の可能性があります。

また、歯周病と診断されたり歯茎が下がりやすい方は歯周病対策が行える、「イソプロピルメチルフェノール」「酢酸トコフェロール」などの成分が配合されている歯磨き粉を選ぶようにしてください。 

 

電動歯ブラシを使用中の方

電動歯ブラシは手用の歯ブラシよりも力がかかりやすく、歯の表面が削れてしまうリスクが高いため顆粒入り歯磨き粉は控えた方が良いです。

電動歯ブラシで歯を磨くときはジェルタイプの歯磨き粉などを使用するようにしてください。 

 

知覚過敏の症状がある方

知覚過敏とは、冷たいものを口に含むと歯がしみることを指します。顆粒により歯が削れてより知覚過敏の症状が進む可能性が高いので、歯肉退縮している方や知覚過敏がおこりやすい方は使用を控えて下さい。

 

安全に使うポイント

「爽快感があるのが好き」などの理由で顆粒入りの歯磨き粉を使いたい場合には、週1~2回にとどめるなどの工夫をした方が良いです。また、歯みがき後は口をよくゆすぐようにしてください。 

 

まとめ 


顆粒そのものが悪い成分なわけではないのですが、顆粒による弊害が大きいので顆粒入りの歯磨き粉は避けるのが無難です。

当院では、メインテナンスの際に患者様ひとりひとりにあった歯磨き粉をはじめ、歯ブラシや清掃器具のご提案を行っております。わからないことがあれば些細なことでも私たちに聞いて下さい。

 

北品川 歯医者 歯磨き粉
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