2025/12/25
品川区の歯医者 かなもり歯科クリニックの歯科衛生士 深澤です。
朝起きた時に、以下のことを感じた経験はありますか?
・顎が疲れている
・顎や顎関節が痛い
・肩こり、頭痛がする など…
当てはまる方は寝ている間の無意識の食いしばりや歯ぎしりで、歯や顎に負担をかけている可能性があります。寝ている間は起きている時と違い、力のブレーキをかける意識が働かないために負担がさらに大きくなり歯が削れる・詰め物が壊れる・歯ぐきや顎関節に悪影響が出るなどということがあります。
それらが続くと、歯が割れてしまい抜歯になるかもしれません!!
そうならないように、予防として何ができるかをお伝えします。
食いしばり(上の歯と下の歯を強く当てる癖のこと=クレンチング)や歯ぎしり(上の歯と下の歯を当てながら横にスライドさせること=グライディング)が起こる原因は様々です。
①ストレス
一番多い原因とされています。緊張や集中している時、精神的につらい時に食いしばりや歯ぎしりが起こります。
②かみ合わせが合っていない
詰め物や被せ物の高さなどが合っていないと、体が無意識に正しい位置を探そうとして歯ぎしりが起こります。
③睡眠の質が悪い
睡眠が浅い、いびきをかく、睡眠時無呼吸症候群などがあると、呼吸をスムーズにしようとして歯ぎしりが起こることがあります。質が悪いとストレスにも繋がります。
④姿勢が悪い
パソコンやスマホ操作で顎、首、肩周辺の筋肉が長時間緊張していると、無意識に食いしばりが起こります。
⑤日常の癖になっている
スポーツや仕事中など、集中している時の癖で食いしばりが癖になっていることがあります。
他にも、薬(抗不安薬)や嗜好品(タバコ、アルコール)が原因で歯ぎしりを誘発することがあるとされています。
無意識に行われる食いしばりや歯ぎしりによって、自分の体重以上、だいたい数十~百キログラムという私たちの想像を超える力がかかっています。
この強い力がかかり続けると、
・歯がすり減る
・歯にヒビが入り、割れる
・詰め物や被せ物が壊れる
・歯ぐきが下がって見た目が変わったり、知覚過敏(歯がしみること)が起こる
・顎関節に負担がかかり、痛みが起こる(顎関節症)
などの様々なトラブルが起こります。
その中でも一番怖いのは、歯が割れてしまうことです!
特に縦に割れてしまうと保存が難しく抜歯する以外方法がないです。
知っておいていただきたいのは食いしばりや歯ぎしりは治療方法がなく、対処療法しかありません。
またマウスピースを装着したからといって、食いしばりや歯ぎしりが治ることはありません。
そこで夜間のマウスピース(ナイトガード)を装着することで、歯を滑らせたり歯同士を当てないようにし、これらの負担を分散させて歯や顎を守り割れるリスクを下げることが大切なのです。
夜間のマウスピースは基本寝る時に、上の歯にのみ装着します。
役割をまとめると以下のようになります。
①食いしばりや歯ぎしりによる、歯や顎の負担を軽減する
②顎関節症の予防、症状の緩和
③詰め物や被せ物、インプラントが壊れるのを防ぐ
④歯ぐきが下がったり、知覚過敏が起こるのを防ぐ
⑤歯周病でグラグラしている歯への負担を軽減し守る(咬合性外傷予防)
⑥矯正治療後に歯が動くのを防ぐ(リテーナーというまた別の用途のもの)
また、マウスピースにはソフトタイプ(柔らかい)とハードタイプ(硬い)ものの2種類があります。
ソフトタイプは、歯科医院で簡単に作製できクッション性があるものです。装着時の違和感は少ない反面、デメリットもあります。下の歯と当たった時に滑らずに噛み込んだり、本来噛む場所でない位置で噛んでしまうことで力の偏りが出たり、頬の筋肉の活動量が上がるため長期の使用は避けた方がいいという考え方もあります。
一方でハードタイプは、クッション性がなくしっかりとした材質であるため、くいしばり・歯ぎしりによっておこる力を分散させることができます。
食いしばりや歯ぎしりを自覚していたり指摘された経験があれば、歯医者さんでマウスピースを作製してもらうことをおすすめします。
すでにマウスピースを持っている方で、使用しているのに顎が疲れたり、違和感があるようであればマウスピースが合っていないか削れている可能性が高いです。こちらも歯医者さんで調整や再作製をしてもらいましょう。
※市販で熱で柔らかくして自分で作製するマウスピースがありますが、歯の並びは個人それぞれ違うため、フィットしない場合があります。歯並びが変わるなど悪影響を与えることがあるのでこちらも長期使用はおすすめしません。
最後に、当院のマウスピースについて軽くご紹介したいと思います。
当院はハードタイプを推奨しております。
経験のない方はいきなり大きなマウスピースが入ると違和感が強いことがあるので、まずは小さめのソフトタイプを、期限を決めて使用していただきます。それが問題なく使えるようであれば、上の歯全てを覆う本格的なハードタイプに切り替えていきます。

当院のハードタイプのマウスピースは歯だけでなく顔の骨格の3Dスキャンも行い、顎関節の位置を一番楽な場所に誘導する役割を持つ、とても精密な作りになっています。材質は硬く厚めで、歯を全体的にバランスよくかませることで、力を分散させて歯を守ります。
3Dスキャンとは?→ 参考動画はこちら
食いしばりや歯ぎしりが気になる方は、ぜひ一度ご相談にいらしてくださいね!

私たちは歯周病専門のクリニックとして
虫歯治療から噛み合わせまで、
患者さま一人ひとりに合わせたトータルな治療をご提案し
患者様の満足を第一に最後まで治療します。
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皆様のご来院を心からお待ちしております。
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