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2014年10月20日

抜歯しない治療方法【エクストリュージョン】

エクストリュージョン

エクストルージョンは、歯根挺出術(しこんていしゅつじゅつ)とも言います。歯ぐきの中に埋もれている歯を矯正的に引き上げて行う矯正治療の手法のひとつですが、虫歯治療に応用することで、治療困難な虫歯も抜歯しないで残すことが可能となります。

エクストルージョン(歯根廷出術)では、歯ぐきに埋もれている歯にフックをつけ、ゴムで引き上げて歯ぐきの上に露出させます。そうすることにより、たとえ虫歯や割れた歯であっても土台を立てることが可能となります。また、インプラントなどを行うときに精密な歯の型採りを行ったり、細菌感染を起こしにくい環境を作ったりすることもできるようになります。

その結果、他院で抜歯するしかないと言われた歯も、抜かずに被せ物で治療することができるだけでなく、その歯の予後(経過)が良くなることが期待できます。ただし、症例によってはエクストルージョンでも歯を残せないケースもありますので、しっかりした診査・診断で見極めることが大切です。

エクストルージョンの目的(活用法)
●抜歯するしかない状態の歯を残すエクストリュージョン
重度の虫歯や、歯が割れたり折れたりして、歯ぐきより上の部分がほとんど失われているケースでも、患部の下にある健康な部分を歯肉の上に出すことができれば、抜歯をせずに歯を残すことが可能となる場合があります。

たとえば神経を抜いた歯で、痛みを感じないために歯槽骨の中まで虫歯が達している場合。根の先端に病変があることから、他院では抜歯してインプラントをすすめられるケースが多く見られます。

しかし、エクストルージョンでは矯正力によって虫歯を少しずつ引き上げ、歯周組織を調整してから最終的な治療を行います。このような治療は条件が揃わなければなりませんが、一つひとつの処置を精密に行うことで健康な状態の歯を残すことが可能となります。ぜひご相談ください。

●破折を防ぐフェルールを獲得する
歯にクラウン(被せ物)を被せたとき、土台として接触する象牙質の部分(フェルール)が大きいほど、歯へのダメージが少なくなります。エクストルージョンで埋没部分を引き上げることにより、この「土台」を十分に確保できます。

●審美性の確保
歯ぐきが目立つことで「口を開けて笑えない」というコンプレックスに対応するため、ガムライン(歯ぐきの高さ)を修正して歯の長さを揃えたり形を修正したりすることによって、審美性を確保することにも応用できます。

●骨量を増やして良好なインプラント治療を行う
インプラントをする際に、できるだけ抜歯する歯の周りの組織(歯槽骨・歯肉)を温存あるいは再生するようにします。エクストルージョンを行うことによって歯槽骨量が増え、同時に歯肉が盛り上がってくるので、抜歯後も審美的にも優れたインプラント治療をすることができます。

抜歯しない治療方法【歯肉弁根尖側移動術】

歯肉弁根尖側移動術(しにくべんこんせんそくいどうじゅつ、APF)は、歯肉が狭い場合や歯周ポケットが非常に深い場合に行う外科手術です。この手術を行うことによって、歯肉を良好な状態に形成したり、歯肉を増加させたり、また歯周ポケットを除去したりします。

歯肉弁根尖側移動術次へ歯肉弁根尖側移動術

エクストルージョンが歯を引き上げるのに対して、AFPは歯肉を引き下げることで埋まっている歯を露出させ、セラミッククラウンなどの被せ物をするなどの適切な治療をします。そうすることで、歯を抜くことなく審美的にも優れた結果を得ることができるのです。

ただし、術後は歯根(歯の根っこ)部分が露出するために知覚過敏や虫歯になりやすいので、十分なプラークコントロールが必要です。

歯肉弁根尖側移動術が有効な場合
たとえば、虫歯が歯槽骨の近くまで達している場合、他院では抜歯してインプラントにしましょうと言われるケースが多くみられます。しかし、歯肉弁根尖側移動術では、歯肉の位置を引き下げて歯を露出させ、虫歯の部分を治療することで歯を保存できることがあります。この場合、必ずしもインプラントを行う必要はありません。

抜歯してインプラントを行う前に、まだできることがあります。お気軽にご相談ください。


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